ECB、利下げにはしばらく時間必要=副総裁

[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は14日、ユーロ圏のインフレ率は2%に戻りつつあるように見えるとしつつ、記録的な高金利がその役割を果たしたとECBが確信するにはなお一定の時間とさらなるデータが必要だと述べた。

クロアチアで開かれた会議で「正しい方向に向かっているが、先走ってはならない」と指摘。賃金圧力は依然として高く、それが和らいでいることを示唆する十分なデータをまだ得ていないとした。

中東の緊張がエネルギーコストを押し上げ、世界貿易を混乱させるリスクがある一方、利ざやが予想以上に底堅いと判明する可能性もある。

それでもデギンドス氏は、成長不振が一因とみられるディスインフレが続いていると指摘。成長低迷は短期的に改善は見込めないとした。

ECBのこれまでの利上げも経済になお浸透中で、しばらくは需要を減退させ続けるとみられる。

ただ、予測には誤差が生じやすく、不確実性は依然として大きいとし、ECBは今後数カ月間、入ってくるデータと共に予測を見極める必要があると述べた。

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