山林から物音…ドローン飛ばしたら高齢男性発見、無事に保護 スクール運営の男性(47)に感謝状

感謝状を贈られた西沢重則さん(左)

道に迷った高齢男性を発見し、保護したとして、ドローンスクールを営む長野県茅野市の男性に警察から感謝状が送られました。ドローンを使って見つけ出したということです。

ドローンを操縦する西沢さん

14日、茅野警察署から感謝状を贈られたのは、茅野市でドローンスクールを営む西沢重則さん(47)です。昨年末、道に迷っていた80代男性をドローンで見つけ出し、保護しました。

西沢重則さん:
「無事に発見できたことがすごく良かったなと思う。ドローンを使った捜索なので、ドローンを教える講習機関としてお手本になれたと思います」

実際のドローン映像(静止画) 提供:スカイシ―プロジェクト合同会社

西沢さんが異変に気付いたのは去年12月28日午後4時半ごろ、ドローンスクールの練習場にいた時でした。

西沢重則さん:
「ドローンのコースを撮影しようと思ったら、向こうの山の方から音がしたので、ふと見たんですけど、木が揺れてるような感じがあったので」

練習場近くの山林はシカやサルがよく出る場所だったため、西沢さんはドローンを飛ばして確認することに…。すると、映ったのは斜面を登ろうとする高齢男性でした。

西沢重則さん:
「最初何が起きてるか、全然、見た目は普通というか何やられてるのかなというところから。まさか出れなくなってたとは思わなかったので」

普段、人が出入りするような場所ではないため、西沢さんは心配になり、スタッフの行田幸永さんとともに男性のもとに向かいました。

西沢重則さん:
「この上ですね。ここから声をかけたが全然反応がなくて、上に登って行って真横まで行って声かけさせてもらった」

ブルーシートを使って男性を救出する西沢さんら 提供:スカイシ―プロジェクト合同会社

男性は市内に住む80代で認知症を患っていたとみられ、「メガネがない」などと話していたということです。西沢さんは保護する必要があると感じ、警察に通報しました。

西沢重則さん:
「(男性は)何を聞いても同じようなことを繰り返していたので、保護してあげなきゃいけない。歩けないような状態で自力で下りることは難しいイメージだったので」

気温も下がり、このままでは危険と感じた西沢さんは、行田さんとともにブルーシートに男性を乗せて斜面から救出し、警察に引き継ぎました。男性に大きなけがはなく、無事に家に帰ることができたということです。

感謝状を贈られる西沢さん

茅野警察署・石井聖文署長:
「山の斜面で不整地のところですので地上から捜索したとしても発見するのは非常に難しかったと思うけど、西沢さんに上空から発見していただいたおかげで寒い中でも早く家に帰っていただくことができた」

人命救助に役立ったドローンの技術。西沢さんはこれまでも警察や消防の要請を受けて行方不明者の捜索に協力した経験があり、今後も積極的に引き受けていきたいとしています。

西沢重則さん:
「これからも救助、捜索、防災減災、社会インフラと幅広く卒業生を通じて社会貢献にお手伝いできれば」

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