馬毛島基地問題で賛否真っ二つの西之表市議会 採決に加われない議長が再び辞職願提出へ「慣例の2年超えた」 前回は否決

〈馬毛島の変化を写真で比べる〉北側上空から見た馬毛島。左は2023年1月12日撮影、右は24年1月8日撮影=いずれも本社チャーター機から

 鹿児島県西之表市議会の川村孝則議長(64)=7期目=は14日の議会運営委員会で、20日に開会する3月定例会で議長辞職願を提出する考えを明らかにした。長野広美副議長(67)=6期目=も「議長を支えたいという考えだったが、辞職の意向に伴い自分も退く」と述べ、副議長の辞職願を出す。

 2人が辞職願を提出するのは、2023年の3月定例会以来2度目。前回は同市馬毛島の自衛隊基地整備に対する考え方で採決が分かれ、いずれも1票差で否決された。今回の辞職願提出について、川村議長は取材に「慣例(2年)を超えて3年間務めている。新年度当初予算の審議を前に出したかった」と答えた。

 川村議長、長野副議長ともに21年2月、改選後の臨時会で選出された。同市議会(14人)は基地整備の賛否が7人ずつで伯仲しており、議案採決に加われない議長職を両派が押しつけ合う形になっている。

 賛成派議員の一部は「今回も粛々と否決する」としており、現時点で正副議長の辞職が認められる可能性は低い。

〈関連〉2023年3月、議長辞職願が否決され、再び議長席に座る川村孝則氏(左)=西之表市役所

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