マイワシ豊漁でホタルイカ減? 新湊、傾向から影響指摘

水揚げされたマイワシ=射水市の新湊漁港

  ●平年並みも漁師懸念

 射水市の新湊沖でマイワシが豊漁となり、定置網漁の漁師らが書き入れ時を迎えるホタルイカ漁への影響を懸念している。現時点でホタルイカの漁獲量は平年並みだが、漁業関係者によると、マイワシの豊漁が続くと減る傾向にあり、「このままでは影響するかもしれない」と指摘する声が出ている。

 富山湾の春の風物詩である「ホタルイカ漁」は3月1日に解禁される滑川沖の知名度が高い。一方、新湊漁協では、通常の定置網に掛かった分を2月に先行して水揚げしている。

 県水産研究所によると、新湊沖のホタルイカ水揚げ量は今月10日に56キロとなり、平年並みという。同日のマイワシは豊漁だった前年に比べても3万8493キロ増の11万9255キロとなった。ただ、今年はサイズの小さい「小羽イワシ」が多くて高値が付きにくい上、マイワシのうろこでホタルイカが傷ついたり、仕分け作業に時間を要したりする悪影響もあるという。

 ホタルイカの水揚げは例年、今月下旬から増え出すとされる。新湊漁協所属の漁船「共和丸」船頭の四柳孝紘さん(45)は「今の時期に判断するのは難しいが、イワシが長期的に増えれば、ホタルイカ漁にも影響するのではないか」と話す。

 余震の発生を心配して出漁を見送ってきた「刺し網」の漁業者はマイワシの豊漁を受け、出漁を先延ばしした。この時期はノドクロやウスメバル(ヤナギバチメ)などを狙うが、網に大量のマイワシが絡まると取れなくなるためだ。東海勝久さん(48)は「地震が落ち着き、沖に出ようとしていた時にマイワシの豊漁。このダブルパンチが与える影響は大きい」と声を落とした。

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