遊具で様子のおかしい高齢女性、急いで駆け寄り救助 兵庫県警が中学生と女性に県善行賞

県の善行賞「のじぎく賞」を受ける藤井陽永生さん(左)と藤原友希さん=神戸西署

 自殺を図ろうとした女性を救助したとして、兵庫県警神戸西署は、神陵台中学校(神戸市垂水区)3年の藤井陽永生(ひなせ)さん(15)=同区=と飲食店従業員の藤原友希さん(38)に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。

 同署などによると昨年10月30日夕、友人と遊ぼうと藤井さんは同市西区の集合住宅を訪れた。その際、敷地内にあった子ども向けの複合型遊具に60代女性がいるのを見つけた。

 女性は長さ約140センチのロープを首に巻き、つえを縄と体の間に挟んで補強し首をつっていた。藤井さんは「自分で死ぬのは良くない」と、急いで女性に駆け寄ったという。

 藤原さんは帰宅途中に、現場を目撃した小学生のおいから「どうしていいか分からない」と電話があり、駆け付けた。藤井さんと一緒に女性のロープをほどいた。救助後、女性は意識がもうろうとした状態だったが、命に別条はなかった。

 藤井さんは「元気になってホッとした」。同席した藤原さんの次男で小学3年の敢大君(9)は「お母さんかっこいい」と話した。(千葉翔大)

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