長崎原爆資料館のリニューアル 2026年度以降に延期 市「丁寧に議論重ねる」

 長崎市は14日、被爆80周年の2025年度に予定していた長崎原爆資料館(平野町)のリニューアルを26年度以降に延期する方針を明らかにした。市民から多岐にわたる意見や要望があり、予定期間で合意を得るのが難しいなどとして、市民参加型ワークショップを開催するなど広く意見を吸い上げ「慎重かつ丁寧に議論を重ねる」としている。
 資料館は1996年に開館。展示内容は大きく変わっておらず、リニューアルでは現代の世界情勢を踏まえ、「原爆被害を今の自分にも起こり得ることと受け止め、自ら平和を考え行動につながる資料館」を目指している。
 市は本年度、基本計画の策定に向け、同館運営審議会小委員会などで議論を進めてきた。歴史展示を巡り複数の市民団体から申し入れがあり、パブリックコメント(意見公募)も160人から200件を超える意見が集まるなど、多くの声が届いた。
 2024年度は基本設計と実施設計を予定していたが、時間を十分に確保するため、それぞれ1年ほどかける。同日発表した24年度当初予算案に基本設計業務委託費2500万円を計上した。
 予算案にはこのほか、核兵器廃絶地球市民集会実行委員会が11月23、24日に予定する「地球市民フェス(仮)」の開催費負担金800万円などを盛り込んだ。

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