春告草の季節に…関東三大梅林の越生梅林「食事でも味わって」 5市町の飲食店が「梅フェア」開催中

参加各店の梅を使ったメニューとちらしで「梅フェア」をPRする関係者=7日、埼玉県越生町上野東の「梅凛caffe」

 関東三大梅林の一つに数えられる埼玉県越生町の越生梅林では、梅の開花期を迎えた。各地から訪れる観光客に周辺地域まで足を延ばしてもらおうと、鶴ケ島市内を中心とした飲食店などでつくる「つるがしま逸品会」は、会員以外の店と連携した初の企画「梅フェア」を1日に開始。3月31日まで、梅を使った期間限定メニューなどを提供する。

 発案者の1人は、逸品会の会長補佐で洋食レストラン「Kenの厨房(ちゅうぼう)」を営む渡辺健さん(50)。数年前から越生町の梅農家「山口農園」代表の山口由美さん(56)と交流があったため、協力を求めた。渡辺さんは「逸品会の枠を超えた地域連携が夢だった」と言う。

 農園でシェアキッチン「梅凛caffe(ばいりん・かふぇ)」を開く山口さんは、越生町内の店に声をかけた。賛同の輪は、つてをたどって拡大。逸品会メンバーの鶴ケ島市、坂戸市の店だけではなく、越生町、毛呂山町、ときがわ町を加えた県西部5市町の計21店が参加することになった。山口さんは「梅の花見に来たお客さんが近隣を観光や食事で巡ってもらえば、滞在時間が長くなる」と地域活性化を期待する。

 各店舗では、越生町産の梅を使用したメニューを作り、グルメ商品を販売する。渡辺さんと同じく会長補佐で、「中国料理蔵王飯店」オーナーシェフの田村義明さん(46)は「食事でも越生のおいしい梅を味わってほしい」と、消費促進を狙う。店にとっては、期間限定の特別な品を考案することでレパートリーを増やす機会にもなった。

 越生梅林の近くにあるカフェ「オクムサ・マルシェ」店主の浅見敦さん(45)は「この地域周辺には、風景の美しい場所が多い。ゆっくり過ごしながら、早春の里山を楽しんでもらうのがお薦め」と提案する。問い合わせは、「梅凛caffe」(電話049.292.6358)へ。

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