「支援のお返し」を能登半島へ…さいたまのクリニックが義援金108万円寄付 熊本、福島で被災の関係者も

義援金を寄付した浦和第一美容クリニックの平松あい代表(左)と清水勇人市長=8日、さいたま市役所

 能登半島地震の義援金として、浦和第一美容クリニックは8日、108万円を日本赤十字社県支部さいたま市地区本部に寄付した。日赤を通して被災地に送金される。代表の平松あいさん(43)は2016年の熊本地震で被災した経験から、「支援を受けたお返しで、何かできないかと思った」と語った。同地区本部長の清水勇人市長は、平松さんに感謝状を贈呈した。

 平松さんは大分県別府市出身で、発災時は自宅で風呂に入っていたという。湯船が激しく揺れて、子どもらと一緒に屋外に避難した。道路がふさがれて、一時は孤立状態になり、断水や停電を経験した。「物資を送ってもらったり、多くの人に助けていただいたので、お返しの気持ち」と話し、今後も支援を行う意向を示した。看護師、美容外科コンサルタントを経て、18年に浦和区で開業した。義援金は施術料の一部、患者やスタッフの寄付を集めた。

 義援金に賛同した従業員の大野萌々子さん(28)は、福島県いわき市出身。高校1年生の時に11年の東日本大震災で被災した。自宅2階のリビングにいて、緊急地震速報が流れ激しく揺れた。テレビや食器棚などが倒れて、立っていられなかったという。断水や停電を経験し、原発事故後に家族と東京の親戚の家に一時避難した。能登半島地震の報道を見て、「トイレ、風呂の問題があり、断水はきつい。日本海側は雪も多くて避難所は大変だと思う。(義援金を)家を失った人や被災した人たちに使われてほしい」と話していた。

© 株式会社埼玉新聞社