棟方志功記念館、文化体験施設に 青森市教委が松原地区「まちづくりビジョン」素案

 青森市教育委員会は14日、棟方志功記念館が立地する松原地区の将来像を示す「まちづくりビジョン」の素案を明らかにした。老朽化のため3月末の閉館が決まっている同館について、市が借り受け、文化芸術に関する体験学習施設として利活用を検討する方針を示した。

 同日の市議会文教経済常任委員協議会で小野正貴教育部長が説明した。市は今後、有識者会議を設置し、県、記念館を運営する一般財団法人「棟方志功記念館」と協議を重ねるなどして来年度内にもビジョンを策定する意向。

 小野部長は市議会で、同館について「青森ゆかりの文化・芸術家の業績を学び、版画を含めた文化芸術の体験学習ができる施設として活用することを検討したい」と述べた。終了後の取材には「あくまで市側の意見であり、今後の議論のたたき台」とした。

 松原地区は同館のほか、学校や社会教育施設が立地する文教エリア。ビジョンの素案では、老朽化している中央市民センターと勤労青少年ホームを集約した新施設を整備し、文化・芸術学習の拠点とするなどの方向性も示した。

 棟方志功記念館を巡っては、西秀記市長と宮下宗一郎知事が昨年11月、建物と日本庭園を残す形で閉館後の利活用を検討していく方針を示している。

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