コロナ検査で補助金9億円の詐欺事件 逮捕された市議が議会に辞職願 会社の看板はペンキで塗りつぶし

新型コロナ無料検査の補助金をだまし取った疑いで逮捕された、岐阜県瑞穂市の市議会議員の男。

逮捕を受け15日、瑞穂市議会が全員協議会を開きました。

瑞穂市の市議会議員・松野貴志容疑者(49)ら5人は、大阪府の新型コロナ無料検査事業で、抗原検査キットの仕入れ費用を水増しするなどして、補助金約9億円をだまし取った疑いで、14日に逮捕されました。

警察によりますと、検査キットの仕入れ単価は約1210円でしたが、松野容疑者らは最大約2.5倍の2992円だと偽り、水増し請求していたということです。

警察は松野容疑者が新型コロナ無料検査をめぐり、補助金の水増し請求を繰り返していたとみて、調べを進めています。

松野市議の逮捕から一夜明け、瑞穂市民は…。

(80代無職)
「許せない。今の時代、悪いことはできない。素直にやってほしい。市民のお手本なんだから」

(60代派遣社員)
「いい噂は聞かない。やっぱりかという印象。もし反省できるなら反省してもらいたい」

また、岐阜市内に設置された松野市議が代表を務める薬品販売会社の看板は、15日朝に改めて訪れると、白色と黒色のペンキのようなもので乱雑に塗りつぶされていました。

この会社はCBCテレビの取材に対し「何もお答えできません」とコメントしています。

市議会は全員協議会 松野議員の家族からは辞職願

一方、瑞穂市議会は15日朝に全員協議会を開き、市議16人が出席しました。

(瑞穂市議会 庄田昭人 議長)
「瑞穂市議会として、しっかり対応しないといけない。これからの議会対応をお願いしたい」

会議では14日午後に松野市議の家族から「2月29日に辞職したい」という内容が書かれた辞職願いが庄田議長に提出され、受理する方向で検討することを明らかにしたほか、今後の議会の対応などについて協議しました。

現職議員の逮捕という異例の事態を受け、瑞穂市民や議員にも混乱が広がっています。

© CBCテレビ