FXで継続的に利益を出すプロトレーダーのほとんどが「6割バッター」である理由【月利30%トレーダーが解説】

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多くの初心者トレーダーは、プロトレーダーの勝率は100%に近い成績と考えているかもしれません。しかし実は、継続的に利益を出せるプロトレーダーは、「勝率6割」を意識しているといいます。一体なぜでしょうか? 株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。

プロトレーダーでも損切りへの嫌悪感は断ち切れない?

損切りをした際に「損を出してしまった。最悪だ」と思う人は多くいるでしょう。プロトレーダーでも損切りする際に悔しさや悲しさが込み上げるものです。トレードにおいて、ネガティブな感情を排除して機械的に損切りを行うことが理想とされていますが、プロトレーダーでも感情を完全に排除することは難しいことです。

しかし、トレードで感情を完全に排除することはできないとはいえ、感情に支配されたトレードを行ってしまうと安定した成果を出すことはできません。FXでは、いかにして感情を出さずに客観的な視点で相場を捉えることができるかが重要です。

プロトレーダーが継続的に利益を出している理由は「勝率6割のトレード」を意識して行っているからです。なぜ勝率10割よりも勝率6割を目指すことのほうがFXでいい成績を出せるのか解説します。

完璧主義なトレーダーが継続的に利益をあげられない理由

勝率100%のトレード手法があれば誰でもその手法を獲得したいと思うでしょう。初心者トレーダーの多くは、プロトレーダーの勝率が100%に近い成績を出しているものだと考えています。

しかし、実際に稼いでいるプロトレーダーの多くのトレード成績は勝率6割ほどです。稼げるトレーダーは損失との向き合い方が非常に戦略的であるため、勝率6割のトレードでも成果を出すことが可能です。

「どんな相場でも絶対にプラスの収益を残したい」と考える人は完璧主義者であることが多いです。自分が予測したとおりに値動きが進み、どのような相場でも利益を残したいと考えています。完璧主義なトレードがFXに向かない最大の理由は「FXには誰にも想定できない値動きが起こるから」です。

為替市場には、世界情勢や金融環境の不意なサプライズによって値動きが乱高下する場面があります。プロトレーダーは自分の力ではどうすることもできない場面で損失が起きたとき、確率的に起こり得る仕方がないものと判断します。

しかし、完璧主義なトレードをする人は、たとえ確率的に起こる仕方のない値動きだったとしても、損切りしたことに嫌悪感を抱きます。その結果、損失をとり戻そうとする無理なトレードや、損切りするべき場面で損切りせずに塩漬けするような行動をとってしまいます。

実はこのように完璧主義であることが原因で資産を減らしてしまう初心者トレーダーは多くいるのです。

6割バッターがFXに向いている理由

FXでは誰も予期しない急な為替変動が起こることがあります。そのため、前述したとおり、完璧主義を目指すトレードを行っていると、どこかのタイミングで大きな損失に巻き込まれてしまいます。

FXでは6割の確率で利益を出せる人が長続きします。野球やソフトボールにたとえると、6割の確率でヒットを打てるような打法を身につけていると、FXの世界で継続的な利益を出すことができるでしょう。

初心者トレーダーは、すべてのトレードで利益を出すことや、1回のトレードで非常に大きい利益を出すことがFXで勝ち続ける秘訣だと考えがちですが、現実を加味すると6割バッターが1番相場に適応して利益を伸ばすことができます。

もちろん、6割の確率で利益を出すということは、4割の確率で損失を出してしまうということです。4割の確率で損失を出していては、資産の増加スピードが遅くなってしまうのではないかと思うでしょう。

しかし、FXを行ううえで大切なことは「資産を守るために確率の高いトレードを行う」ということです。すべてのトレードでプラスの収益を出さなくていいという心の余裕と相場を見極めて、自分のトレード手法の能力が存分に結果を出すタイミングを見計らうことが、結果的に資産の増加を早めるのです。

トータルで利益を上げるためには?

今回は、FXにおいてすべてのトレードで結果を出そうとする完璧主義なトレーダーよりも、6割の確率で利益を出せるトレーダーのほうが、長く相場の世界で利益を出していけることを解説しました。

FXの学習に真剣に取り組んでいる人は、トレードの記録や過去検証をして自分の手法の勝率を導き出しているでしょう。目の前の結果だけ見れば、収益に増減はありますが、長い目で見ると平均的な確率に収束していきます。

いま現在、6割の確率で利益を出せる手法を持っていれば、確率に基づいたトレードを行うことで最終的にプラスの収益を出せるはずです。仮に確率が低い手法しか持っていないのであれば、より力を入れて日々のトレード分析を行うべきです。

1ヵ月、1年単位で自分の手法を振り返り、手を加えて勝率を上げることこそがFXの醍醐味といえるでしょう。自分なりの手法を発見して確率に基づくトレードを継続することができれば、その時点であなたはプロトレーダーになっているはずです。

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員

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