ウクライナ経済再建費用、10年間で4860億ドル=世銀など

Andrea Shalal

[ワシントン 15日 ロイター] - ロシアの侵攻を受けるウクライナの経済再建には10年間で4860億ドルの費用がかかる見込みであることが、世界銀行、国連、欧州委員会、ウクライナ政府による調査で明らかになった。2023年に見込まれる国内総生産(GDP)の2.8倍に当たる規模という。

世銀は15日、今回の推計値は22年2月24日の侵攻開始から23年12月31日までの期間を対象とし、建物やその他インフラへの直接の物理的損害、人々の生活や生計への影響、そして「より良いものをつくり直す」ための費用を数値化したと説明した。

推計値は昨年3月の4110億ドルから増加。分野別の内訳は住宅が800億ドルでトップ、次いで交通が740億ドル、商業・産業が675億ドルとなっている。

報告書によると、戦争による直接的な損害は約1520億ドルに達し、その被害はドネツク、ハリコフ、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソン、キーウ(キエフ)などの地域に集中している。経済生産と貿易の中断、がれきの撤去などその他戦争関連コストはさらに4990億ドルかかる可能性が高いという。

推計値にはウクライナの国家予算やパートナー、国際支援によってすでに賄われた復興ニーズは含まれていない。

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