CLレアル・ソシエダ戦、ゲームの流れを変えたハーフタイム。L・エンリケ監督の“激昂”

写真:今季からパリ・サンジェルマンの指揮をとるルイス・エンリケ監督 ©Getty Images

現地時間2月14日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ、パリ・サンジェルマン(PSG)対レアル・ソシエダの一戦は後半に2点を奪ったホームのPSGが1stレグを制し、準々決勝進出に大きなアドバンテージを得た。

試合後、PSGのルイス・エンリケ監督は「悪夢のような前半」と評すると、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は「今日の前半のようなプレーを2ndレグでも出来れば、十分に戦える」とコメントした。

両監督のコメントからも明らかなように、前半はレアル・ソシエダがゲームを支配し、ミケル・メリーノのバー直撃ミドルを含むいくつかの決定機を作り出し、ゲームを押し気味に進めた。

スペイン『Marca』電子版によれば、前半の出来にL・エンリケ監督は激怒し、ハーフタイムに選手に檄を飛ばしたという。

「前半は相手のハイプレスを受け、良い入りではなかった。ハーフタイムに監督が我々選手の目を覚ましてくれた。2ndレグで2点のリードを持って戦えることは我々にとって大きなアドバンテージになる」

この試合で2点目のゴールを決めたブラッドリー・バルコラは前述のように試合を振り返った。そして、キャプテンのマルキーニョスも以下のようにコメントしている。

「前半は本当に苦しかった。レアル・ソシエダは献身的で機動力のあるチームだから難しいゲームになることは想像していた。ハーフタイムに監督からの話があり、後半は状況が一転した。監督がハーフタイムに何を言ったかって?(笑みを浮かべながら)それは秘密にしておくよ。ただ、とても怒っていたのは確かだ。監督は常に我々選手に思ったことを伝えてくれる。今日のハーフタイムの言葉は本来の自分たちのパフォーマンスを引き出しすモチベーションとなった」

マルキーニョスは具体的にどのような言葉をかけられたのか明かすことはなかったが、ハームタイムを挟んだ後半に試合の流れが大きく変わったとコメントしている。

また、当のL・エンリケ監督は「全く覚えていない。料理人がレシピを明かすことはない」と独特な言い回しで質問を煙に巻いている。
 
一方、アウェイで先勝を許したレアル・ソシエダのキャプテン、メリーノはレポーターから「試合をコントロールしている中で、不運にも、失点シーンでは10人で守らなければならなかったが」という問いに、以下のようにコメントした。

「サッカーにおいて偶然というのは存在しない。これで2試合連続セットプレーから失点していることになるからね。不運だったが、エムバペをマークするはずだったトラオレが直前のプレーで痛みを訴えてピッチから退いていた。そして、タケがエムバペのマークに付くことになったが、普段とは異なる役割だからね。だけど、こういった最高峰の舞台では一つの小さなプレーが違いを生むことになる。PSGのようなチームとの対戦では一つのミスも許されない。彼らはそのチャンスを活かしたわけだが、チームの頑張りには満足している。2ndレグではホームのサポーターの力を借りて勝ちに行くよ」

メリーノは不運が重なった部分もあるとしたが、欧州最高峰の舞台では1つのミスが命取りになると振り返った。また、久保建英は失点シーンについて「あれは自分のマークであり、責任を感じている」と、PSGの先制点となった場面を振り返った。

レアル・ソシエダはこれで公式戦5試合連続無得点となり、クラブの歴史において1973年以来となるワースト記録に並んでしまった。2ndレグが開催される3月5日までは約3週間残されているが、得点力不足を解消しCL準々決勝に駒を進めることは出来るだろうか。

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