イスラエル、ガザ南部のナセル病院を急襲 「ハマス戦闘員潜伏」

James Mackenzie Nidal al-Mughrabi

[エルサレム/ドーハ 15日 ロイター] - イスラエル軍は15日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスにあるナセル病院を急襲した。ナセル病院はガザ地区でなお機能している最大の病院。イスラエルはイスラム組織ハマスの戦闘員がこの病院内に潜んでいるという情報に基づき急襲したとしているが、ハマスは否定している。

イスラエル軍は、ハマス戦闘員がナセル病院に潜伏し、昨年10月にイスラエルから拉致した人質をこの病院で拘束しているとの情報に基づき「正確かつ限定的」な急襲を実施したと表明。死亡した人質の遺体もこの病院内に置かれている可能性があるとしている。

また、ナセル病院で複数の容疑者の身柄を拘束したと表明。作戦はなお継続しているとしている。

軍のハガリ報道官は、ナセル病院の急襲は「正確に準備された機密作戦で、特殊な訓練を受けたイスラエル国防軍(IDF)の特殊部隊によって実施されている」とし、ナセル病院が病院として機能し続けられるようにすることが今回の作戦の目的の一つだとし、病院スタッフに避難の義務はないと伝えたと述べた。

ただ、ガザ地区の保健当局は、イスラエル軍がナセル病院から多くの医療スタッフや患者のほか、大勢の避難民を強制的に退去させたと指摘している。

国際的な非政府組織(NGO)の国境なき医師団(MSF)によると、イスラエル軍は未明にナセル病院に対する攻撃を開始。イスラエル軍から医療スタッフは避難する義務はないと伝えられていたにもかかららず、患者を残して病院から退避しなければならなかったとしている。

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