ドル5%上昇へ、11月選挙でトランプ氏・共和勝利なら=シティ

Marc Jones

[ロンドン 15日 ロイター] - 投資銀行シティのアナリストは、11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、共和党が連邦議会の上下両院を制した場合、ドルは5%上昇し、債券市場は下落すると予想している。

ドルは2016年大統領選でトランプ氏が予想外の勝利を収めた後に約5%上昇したが、バイデン大統領に敗北した20年の選挙前には5%下落した。

同行の予想はこうした事実に基づいており、アナリストは「トランプ氏と共和党勝利のレッドウェーブとなった場合のドルの潜在的な強さは、5%が適切な幅と考える」と述べた。

トランプ氏は大統領選の共和党最有力候補とみられている。

同行のアナリストはまた、市場では伝統的に結果を先に織り込む動きが見られることから、20年の選挙の際と同様のパターンになると予想。「おそらく今年の高値を付けるであろうドルの上昇は、選挙前後に見られる可能性が高い」とした。

共和党が圧勝すれば、新たな減税や景気刺激策、中国など対抗する国への貿易関税が導入される見通しで、債券市場に最も大きな影響を与えるとも予想した。

「金利が上昇し、イールドカーブがスティープ化してタームプレミアムが上昇する」可能性があるとし、米債務拡大を巡る懸念などから債券が売り込まれた昨年10月のような状況になる可能性を指摘した。

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