大阪市が0~2歳児を手厚く支援、26年に完全無償化実現へ

大阪市の定例会見が2月15日に実施され、令和6年度予算案を説明。9月からは第2子(0~2歳)の保育を無償化にし、2026年には第1子も視野に入れ、育児・経済負担が大きい0~2歳児の子育て支援を一層拡充していく方針を示した。

定例会見のフリップより「0〜2歳児保育無償化に向けた取り組み」について(2月15日・大阪市役所)

この日の会見では、0~2歳児保育無償化の実現に向けたロードマップが公開。まずは、令和6・7年度に「保育の受け皿確保」と「在宅育児への支援」を進め、制度を利用できる環境整備を進めるという。

現在、大阪市では0〜2歳児は所得に応じて、第2子は半額、第3子は無料となる保育料。そこで、令和8年度中に待機・利用保留児童や就学前児童数の推移、保育人材確保などを確認し、財源の見通しが立つなどの条件が整えば、第1子の無償化に取り組む。

また、合わせて0~2歳児向けにさまざまな支援が展開。例えば、在宅育児への支援となる「子ども誰でも通園制度(仮称)」では、普段保育園に通っていない0~2歳児でも、月10時間まで保育施設を利用できる。

ほかに検討されているのが、子育てサポートアプリの電子クーポン。一時預かり事業(平日利用で0歳児2700円、1~2歳児は2000円)や、出張時に子どもを泊りで預けられる「子どものショートステイ事業(2歳児未満は1日5350円。1泊2日10700円)」などに利用できるよう検討しているという。

この日、熱意をもって子育て支援策を発表した横山英幸市長は、「どのような家庭状況であっても等しく子育てができる環境を整備し、日本一の子育て、教育サービスの実現を目指したい」と話す。

ただ、気になるのは公立・認可保育園の保育時間は日中になり、夜遅くまで仕事している人や夜勤のある人が0歳から未就学児、小学生を含む子どもを預ける場合、認可外保育園で夜間保育を利用している現状もある。

認可外保育園を利用している人たちへの支援に関して横山市長は、「ロードマップを進める中で状況や財政ポイントを見ながら議論を続けたい。いろいろな課題を抱えている家庭もあるので、少しでもご負担が軽くなるような制度設計をしたい」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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