島根大学研究室が「ランニング教室」開催 生活習慣の改善へ

「運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか?」健康診断でよくあるこの質問。改善しようと思いながら、なかなかできないのが現状ですよね。
そういった人のきっかけになればと、島根大学でランニング教室が開かれました。親子連れの参加も多かったこの教室、その理由は?

島根大学人間科学部 辻本健彦 講師
「猫背とか、腰折れは違います」
「体はまっすぐな状態で、体を前にする」

12日、島根県松江市の島根大学で開かれたランニング教室。走る姿勢や、足の動かし方など、具体的な内容がレクチャーされました。指導するのは、島根大学人間科学部の辻本健彦講師です。

「かかとじゃないですよ」
「(足の裏を)一度にぺたっ、ぺたっと付ける。これ、結構大事です」

島根大学陸上競技部で長距離のコーチも務める辻本先生。大学では、「運動の習慣化」や、「運動と生活習慣病の関連」などの研究を行っています。

島根大学人間科学部 辻本健彦 講師
「運動することによって、高血圧の予防につながったり、脳血管疾患、心臓病とかにも予防効果があることが知られています」

島根県では、全国と比べて、脳梗塞や脳出血など脳の血管の病気による死亡率や、高血圧の人の割合が高く、その原因のひとつとして、運動習慣を持つ人が少ないなど、生活習慣上の課題が指摘されています。

島根大学人間科学部 辻本健彦 講師
「運動を新しく始めたりとか、継続していくのは難しいことだと思っています。研究でも、『なかなか解決できないチャレンジングな分野』という現状があります」

全国健康保険協会島根支部によると、「1日30分以上の運動習慣がない人」の割合は、男性76・8%、女性87・7%とともに高い数値になっています。

ランニングは、他のスポーツに比べ、簡単に始められることから、生活習慣の改善につながればと、今回の教室が開催されました。

大人のランニング教室の横で、子ども達を対象にした教室も開かれていました。指導するのは、島根大学大学院1年・多田裕紀さん。
多田さんは、学生でありながら、去年11月、走り方の指導や運動サポート事業を行う会社を立ち上げました。

島根大学大学院人間社会科学研究科1年 多田スポーツアカデミー代表 多田裕紀さん
「"親子で"というところにフォーカスを当てて。親子で健康づくりが出来るような事業ができたらいいんじゃないかと」

多田さんの研究分野は、子育て世代の健康づくり。家事や育児に時間をとられ、自分の運動時間を確保できない、そんな課題に取り組んでいます。

島根大学大学院人間社会科学研究科1年 多田スポーツアカデミー代表 多田裕紀さん
「大人向けの企画や教室があった時に、『子どもをどうするか』という問題があると思います。新しい試みのひとつとして、親子で参加できるような教室をやってみたかった」

辻本先生とタッグを組むことで、大人も気兼ねなく参加し、親子で、運動の習慣化を目指す、そんな狙いがありました。

参加者は
Q習慣的に運動することは大事だと思う?
「すごい思っています。そこが一番難しいと思っているので良かったです」
「こういう機会で運動ができて、走ることができて気持ちが良かったです」

島根大学大学院人間社会科学研究科1年 多田スポーツアカデミー代表 多田裕紀さん
「お父さん、お母さんもしっかり頑張っていたし、子ども達も、90分と長かったが、最後まで頑張ってくれたので、とても良かったと思っています」

健康な体を目指して、運動を継続するためには、家族などのサポートや理解も大切です。

もうすぐ春。生活習慣の改善に向けた一歩を踏み出しましょう。

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