「被爆した亡くなった人の思いを感じてほしい」血のあとが残る枕 子どもたちが使っていたカバン… 原爆資料館で常設展示の一部を入れ替え 混雑解消へ 電子チケットも販売開始

常設展示の入れ替えで臨時休館していた原爆資料館(広島市)が16日に再開されました。また混雑を解消するため、3月1日分からインターネットでのチケット販売も始まりました。

建物疎開作業に動員された生徒たちの衣類やかばん…。どれもがあの日、子どもたちが身につけていたものです。

原爆の惨状をいまに伝える被爆資料。原爆資料館ではこうした資料の劣化を防ぎ、後世に残していくため、定期的に展示を入れ替えています。今回は、被爆資料68点と原爆の絵6点を入れ替えました。

破れて染みた血のあとが残っている枕。頭部を火傷した 廣中一 さん(当時37歳)が、原爆投下の翌日に息を引き取った際に使用していたものです。( 廣中正樹 さん寄贈)

爆心地およそ1.4キロの三篠橋の様子が描かれた絵は、橋のらんかんを超え、馬車と馬が宙づりになり、原爆の爆風の威力を物語っています。(篠山益治さん作)

原爆資料館 学芸員 小山亮 さん
「衣類等の資料も原爆の絵も資料館にたくさん所蔵しておりますので、たくさんの方にいろいろな展示資料を見ていただきたいということで、このような入れ替えを行なっています」

被爆資料は1年、原爆の絵は半年ごとに入れ替えが行なわれるということです。

来館者
「残っているものを見ておきたいし、残っていることがすごいことだから、入れ替えることはいいことだと思います」

原爆資料館 学芸員 小山亮 さん
「寄贈者の方がた、それから被爆して亡くなった方がたの想いですね、そういったことを感じていただきたいと思います」

一方で、原爆資料館では開館直後から多くの人が訪れ、チケット購入には行列が…。

長時間の入館待ちが課題となっているなか、16日から始まったのが電子チケットの販売です。

対象となるのは3月1日からで、90日先まで原爆資料館のウェブサイトで個人と団体ごとに時間を指定して購入することができます。

この対策は、来年3月までの試験導入で実施状況をみて、本格導入を検討するということです。

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