工場排水から基準値超える有害物質 群馬・伊勢崎市

 群馬県伊勢崎市は16日、同市柴町にある工場の排水から、基準値(1リットル当たり0.2ミリグラム)の3500倍のジクロロメタンを含む有害物質が確認されたと発表した。ジクロロメタンは塗装の剥離や金属の脱脂などに用いられ、発がん性があるとされる。市は同日、工場からの排水を停止させる措置を取った。周辺河川などの水質を調べた結果、同市戸谷塚町の調整池で環境基準値(同0.02ミリグラム)の約6倍(同0.13ミリグラム、速報値)のジクロロメタンが検出された。

 広瀬川を経由してつながる利根川についても関東地方整備局が調べている。水質汚染の可能性があるとして、市は周辺の川に入らないよう呼びかけている。

 市によると、排水1リットル当たりでジクロロメタンが700ミリグラム、トリクロロエチレン(基準値0.1ミリグラム)が0.76ミリグラム検出され、いずれも基準を超過した。

 複数の事業場を対象にした水質調査の一環で、14日に同工場の排水を採取。16日に分析結果が判明した。市は排水が流入する調整池と車川(同市堀口町)、韮川(同市長沼町)の3地点で水質を調べ、調整池のみ基準超過を確認した。

 排水を処理する機械の一部故障が原因とみられるが、14日中に修繕されたという。

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