清掃は銭湯の命！湯の道一直線！創業７０年大阪京橋「ユートピア白玉温泉」三代目・北出芳敬さんあのマエケンのライバルだった野球人が創りあげた銭湯サウナの理想郷とは？北海道のサウナ野郎パンダ・リー「ととのえ道場」[189]

「清掃は銭湯の基本」白玉温泉三代目の「湯道」とは？

銭湯サウナは、来る人拒まず広くととのいの場を提供する「ととのえ道場」っす。

大阪京橋で三代続く三角屋根の銭湯サウナは、道場主の熱い思いを感じて二度ととのう！

銭湯サウナのユートピアだったっす♪

今回は銭湯サウナの理想郷「ユートピア白玉温泉」の後篇！

「清掃は銭湯の基本。命かけてやってます！」

湯の道一筋突き進む「白玉温泉三代目」こと北出芳敬さんのサウナトークをたっぷりと！清掃から施設の大リニューアルまで、毎日全力投球で挑むその理由とは？パンダ・リーっす。

前篇「体験レポ」はこちらっす

「三角屋根の銭湯サウナは理想郷！爆風ロウリュ＆氷水風呂＆天空外気浴！好きやねんOSAKAサウナ旅大阪市城東区『ユートピア白玉温泉』」

https://sodane.hokkaido.jp/column/202402100500004174.html

☆以下画像出典は「X 白玉温泉三代目」SNS等から

三代目が語る「白玉温泉」が発する魅力の秘密！

巨大な赤い三角屋根が目印の「ユートピア白玉温泉」。大阪城東区京橋エリアにある破格の銭湯サウナっす。１９６３年「白玉湯」を初代が譲りうけて創業。二度の新築工事を経て約６０年、三代く銭湯サウナっす。おととし２０２２年８月にリニューアルオープンしやした。

（施設の高さは右隣り７階建て同じ!!デカい!!）

３階にコワーキングスペースの増設を軸に、サウナを大型かつ１０分毎に発動する独自のオートロウリュ完備のフィンランド式サウナに改変。さらに肌から吸収された炭酸ガスが血行や代謝を促す「高濃度炭酸泉」も導入。

ミライを見据えた大リニューアルを敢行すると、サウナーの間で大反響。早朝６時の開店から深夜１時の閉店まで、EVERY DAY多くのサウナ愛好家が訪れていやす。

そのミライを担うのは「白玉温泉三代目」こと(有)白玉産業専務の北出芳敬さん。ご尊父で二代目の守社長が「大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合」の常務理事としての活動も増える中、弟で取締役の明義さんと二人三脚。“銭湯サウナの理想郷”の発展のため、日夜を問わず汗をかいていらっしゃいやす。お話伺いやした。そのサウナ愛がハンパなかった‼

屋号の由来＆赤い三角屋根へのこだわり

―まずは「白玉温泉」という屋号の由来は？

三代目：あれはですね。大正時代から「白玉湯」っていうのがあったらしいんですよ。「白玉温泉」僕らでたぶん3代目なんですけど。経営者が２代変わってるんですよ。代々「白玉湯っていうのは残してくれ」と言われて。白玉という名前を残す条件で祖父母が購入しました。

―なるほど！

三代目：僕らも大きい改装2回してるんですが途中から「白玉湯」じゃなくて「白玉温泉」にしたんですよ。温泉じゃないけど。大阪は「温泉」にした方が人が来ると思ってたらしいです(笑)

―ユートピアは？

三代目：「ユートピア」は親父がつけましたね。「理想郷」白玉温泉来てこう、理想郷というたらおかしいですけど。まぁまぁ形もあの中々奇抜な形やった。当時はもう面積の関係上損してる。「なんで四角にせえへんの」というのはあったらしいんですけど。

―三角の形にこだわった！

三代目：（三角は）面積がやっぱ小さくなるじゃないですか。勿体ないことになっちゃうんで。有効に使えないじゃないですか。でも三角形にしたら京橋から歩いてきて。パって見たときに「あれ、白玉やな！」って絶対わかるんで。

―なるほど宣伝効果は間違いなし！またデカくて驚いたっす！

三代目：ハイ。一回見たら忘れんように造りました。

―白に赤の色は？

三代目：目立つ色っていうか。紅白で見やすいしまぁ日本人は赤白は好きやと思うので。

(運が良ければ会える？ツバメの赤ちゃん。三代目曰く「3月〜8月頃まで白玉温泉一階駐車場内に巣を作り子育てします。6年連続6回目に突入」）

「氷水風呂」powered by ホシザキ

ーキンキンの名物「氷水風呂」！あれはどういう仕組みっすか？

三代目：あれは「ホシザキ」の業務用の製氷機あるじゃないですか。製氷機からできた氷を３階から落としている感じです。出来上がったら落ちるような仕組みで。筒をその下につけて、勝手に落ちるようにしてる感じです。だいたい２０分に１回ぐらいですかね。２０分か３０分に一回ぐらいに氷が落ちます

―ヤバイっす‼(笑)

三代目：あれは僕が子供の頃に社長が考案しました「面白いやん」って始めた感じです。

―かつおを氷で締めるのがヒントだったとか(笑)

三代目：そうです。テレビとかよく言ってるんですけど。かつおも人間も一緒や、言うてね(笑)

独自の「白玉ボナロウリュ」

―サウナは高湿度で体感はめっちゃ熱くて。でもロウリュの仕組みがわからなかったんすが？

三代目：銭湯さんとかスーパー銭湯さんとか改装前に見に行ったりとかしましたけど。上から水をこうバァーって流して。サウナストーンで蒸気を出るようにしてるんですけど僕らは逆ですね。下から生蒸気というか。だからこう見えないっていうかあんまり。シャーっていう演出はないんですけど。熱いのは必ず出ているという感じです。その蒸気でガァーて高温の蒸気が出るんですけど。それをバルブで調整しながら。それでストーンを温めてる感じですね。

ーあぁ～。

三代目：メインは座面、背中のところに「エロフィン」っていうねボナサウナの装置が全部あるので。どこ座っても同じ熱さって言う感じです。白玉温泉の強みの一つです。

―めちゃくちゃ熱かった！
三代目：あれでもホンマもうちょっと入れる予定だったんですけど…（笑）

―風も吹き荒れるあの仕組みは？

三代目：自動ロウリュに合わせて風が出るように10分に1回。必ず送風機で風が流れるようににしてるんですけど。真ん中のとこから吸気で吸って。各四方４カ所から風が下に出るようにしたんです。元々２カ所だったんですよ。「レベルアップしていこうぜ」っていう話で。家族で相談しながら。まだ付けれるんですけど正味。「それはまた今度や」っていうことで。

―昔は？

三代目：昔は今の男風呂のサウナあるじゃないですか。それの半分でしたね。

―お～。

三代目：でも昔のほうが熱かったかもしれませんね。昔配管壊れとって。そっから蒸気流れてた。絶対座れないと思います(笑)

（リニューアル前のサウナ。サイズは今の半分）

―(笑)

三代目：でもそこに必ず座る常連さんで猛者がおったんですよ。あれはあれでよかったんですけど。今は万人受けというか。若い人も来てくれるんで。良かったかなぁっていうのはあります。

―３階に増設したコワーキング、そしてあの贅沢なスカイデッキの外気浴は？

三代目：コワーキングは事業再構築っていう国の補助金事業でさせていただいたんですけど。それが採択されたんで。ついでにお風呂屋さんのほうも改装しよかっていう話になって。むしろ休まなあかんかったんで。せやったら風呂屋もやろうとなって。

（いつでもプランは22,000円！オフィスにサイコウ♪）

三代目：外気浴はこれは絶対ってやつですね。前はなかったです。露天風呂のところが外気浴でした。サウナ、水風呂、外気浴をあんだけ作れたんでもう追加料金頂いて勝負かけようと思って。

（サ室外には天空スカイデッキ外気浴の込み具合が一目でわかるモニターも！）

―あれはすごい！飛行機が見えたっす～

三代目：伊丹空港に着陸する飛行機が見えます。晴れた日は最高だと思います。白玉温泉の新たな名物になろうとしてますね。

次の３０年のための大リニューアル

―2年前にリニューアル。その反応は？

三代目：正直。改装してから改装前の常連さんは少なくなりました。それでも週一回とかでも顔出してくれてるのでめちゃくちゃ嬉しく思ってます。

―三代目、お歳は？

三代目：３５歳です。

―どんな想いで引き継ごうと？

三代目：僕が生まれた35年前に、あの三角形の形の白玉温泉が出来たんですよ。その前の白玉温泉っていうのが小っちゃい銭湯だったんですよ。そん時に祖父、祖母が頑張ってくれて。金融機関から借りれるようになって大きくしたんですけど。またその借金をまたキッチリ返したんですよ。で、また（二代目が）「3回目の勝負や！」と。あと30年やりたいなぁというのがあるんで。また次の世代に見しとかなあかんので。

三代目：まぁ想いとしては祖父母からの。代々の、なんていうんですかね。受け継ぐというか。絶対に潰しちゃいけないという。でも現状「あのままでは潰れる」と思っていたので。家族と相談して。いつか絶対赤字になるというのはわかっていたんで。「みんなやってないときに攻めたろ」と。政策金融公庫さんからお借りしました。感謝しかないです。

清掃は夜中から朝まで！

ー潰しちゃいけない、でも挑戦しないと潰れると。施設は超快適で超清潔でした！

三代目：清掃はお風呂屋さんの基本なんで。まぁこれが出来てなかったら絶対に衰退していくんで。それはちょっと、命かけて本気でやっていますね。夜中なんで。ちょっと今日もこの時間（午後1時半）にしてもらったのも。朝7時までちょっと掃除とかやってるので。ちょっと寝ないと。ちょっとしんどいのもありますし。

（命かけて磨くとここまで光る！）

―三代目の働く時間は？

三代目：僕は夜の11時から朝の7時ぐらいまでですかね。だから日中にお客さんにと会うというのはあまりないんですよ。

―清掃は？

三代目：清掃は深夜1時から。1時に営業終わるので1時から5時か6時ぐらいまででやるって感じです。ハイ。

マエケン相手に打率４割！三代目は「野球人」だった

―プロ野球選手や大リーガーが白玉によくいらっしゃる。あれは…？

三代目：マエケンとは友達です。

ーえ？？今なんと？？

三代目：僕は明徳義塾ってところで3年間野球やらせてもらったんですけど。世代的にはマー君とかと一緒の「ハンカチ世代」という時代だったんですよ。野球は結構全国に友達おるんですけれども。マエケンは中学校の時に世界大会で一緒で仲良くて今でも仲良くさせてもらってます。

―簡単におっしゃる！(笑)

三代目、マジすか？！マエケンって…MLBデトロイト・タイガースの前田健太投手！？元PL学園トレーナーの荒木和樹さんが当時ひじの痛みを訴えるマエケンのために考案した、肩甲骨を廻して上半身と下半身の連動するのを促し肩や首の動きも良くなるという「マエケン体操」のあのマエケン！？『アメトーーク！』「絵心ない芸人」８年連続参戦、素顔はお茶目なあのマエケン！？(笑)

…で、三代目とマエケンの２ショットがここにありやす。三代目はマエケンの色紙をもって。マエケンが白玉温泉のステッカーを持ってる！！

（「X 白玉温泉三代目」から）

からの、これはアメリカ大リーグの球場ですねぇ。ブラックの白玉パーカーを着たバックショットの三代目。こ、広背筋がデカい(笑)ハイハイ。でとなりは…めっちゃ笑顔で和やかな雰囲気のマエケン！あら、またマエケン！！

（「X 白玉温泉三代目」から）

そしてこちらは…グレイの白玉温泉パーカーを着てるのは…マエケン！！！

（「X 白玉温泉三代目」から）

超仲良し♪ど、ど、どういうことすか？？ビックリして調べやしたー。

実は三代目・北出芳敬“選手”は中学時代の２００３年、世界少年野球大会にマエケンと共に出場。世界の強豪相手に切磋琢磨して優勝。マエケンが「チーム１の首位打者」と絶賛していたそうです。それどころか、中学時代の全国大会ではマエケン相手に打率４割超を記録‼その後、親元を離れて高知県の強豪・明徳義塾高校に野球留学。外野手としてすぐに頭角を現し１年生で野球少年たちの憧れ・甲子園出場を果たします。しかし、２年生の頃に腰を骨折ー。その後は野球の道から、家業である温浴の世界に転向。活躍の場はグラウンドから温浴施設へと１８０度変わりましたが、気持ちはいつでも「野球人」！野球人はいつでも全力ファインプレー！実はそんな「全力少年」だったんっす。

さらに調べるとー。二代目の守社長、弟の明義取締役は少年野球球団「大阪八尾ボーイス」にコーチとして名を連ねている…。桑田真澄パイセンを輩出した名門？も、もしや…。白玉温泉サウナのあのスカッとした体感、爽やかで清々しさを感じる館内の雰囲気は北出ファミリーがみな野球人だからなのかもしれない！！いや、まちがいない！！野球で鍛えた「心技体」が揃わんと、あそこまで徹底した施設にならんでしょ、正味な話。野球選手が好んで訪れるのも、納得ざんす♪

（オリックスをリーグ３連覇に導いた森友哉捕手もととのった♪「X 白玉温泉三代目」から）

野球で培った「忍耐力」

三代目：勉強より野球を青春時代はやってました(笑)。もう少し勉強しといたらよかったといま後悔してますけど。（笑）まぁでもお風呂屋さんの仕事と野球っていうのは僕は結構相性あってるなって思ってますんで。

―といいますと？

三代目：やっぱ「忍耐力」というかね。普通の人がね。例えばこの前も体験でお風呂掃除やってもらったんですが、３日間ぐらいで「調子が悪い」と(笑)体調悪なってもうたんですよ。だいたいの人が。僕らは何も思わないんで。野球の練習のほうがしんどいし。寮生活のほうがしんどいし。だってコーラとか今は普通に飲めるじゃないですか(笑)

―ハハハハハ(笑)

三代目：そんなの絶対にでけへんから。「ちょっとしんどいなぁ」と思ったらそこを考えますね。高校時代のことを。今はお金もいただけるしという話ですよ。

―野球の練習といえば、ニューヨーク・メッツと契約した藤浪晋太郎投手も以前来たんすよね？？

三代目：野球ってやっぱこう横のつながり、縦のつながり一杯ありますけど。全部つながっていくので。まぁまぁまぁ共通の友達がおったり。共通の先輩、後輩がおったり。藤浪選手も後輩に連れてきてもらいました。ありがたいですね。