1月に天満屋女子陸上部から引退した谷本観月さんに、約11年間の競技人生と今後について聞きました。国際大会での活躍などで多くの人に勇気を与えてきた谷本さん、これからは幅広い人に走る楽しさを広めたいと語りました。
オフィスカジュアル姿に従業員用の名札 NEW谷本さん登場
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「きょうは、(天満屋の従業員用の名札を)忘れずに持ってきました」
(【画像①】は天満屋の名札を忘れずにつけている谷本さん)
走る姿の印象が強い私たちにとっては見慣れない、オフィスカジュアル姿の谷本観月さん(29)。今後も、天満屋でランニング事業に携わるといいます。
「たまにつけて帰っちゃう…つけ慣れないので」
『私、11年間よく頑張ったな』と思います」
ドーハ世界陸上の日本代表に「あ、私、日本代表なんや」
先月で天満屋陸上部を引退しました。最も印象的だったのは2019年、ドーハで行われた世界陸上のマラソンだといいます。
(1月で天満屋女子陸上部を引退谷本観月さん)
「日本代表になれるとは思っていなかったので、『あ、私、日本代表なんや』というのがありました。生きていて、いちばん達成感があったと思います」
競技から離れたのに「次頑張ってね」と言われて、復帰
高温多湿の悪条件で、約4割の選手が途中棄権する中、粘りに粘った走りを見せ7位入賞。さらにもう1つ大きな喜びを味わったのは、おととしの大阪国際女子マラソンでした。
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「そのときも達成感というか、『マラソンをやって終わった』、『自己ベストで走れた、よかったよかった』という感じでした」
自己ベストを叩き出し4位でフィニッシュ。「やり切った」と、一度は競技から離れる決断をします。ところが…。
(1月で天満屋女子陸上部を引退谷本観月さん)
「競技を離れた間もランニング事業部で働かせてもらって、何も知らないお客さんたちは『MGC、応援に行くから』とか、『頑張ってね』とか言ってくれて、『もうちょっとやろうかな』と…」
競技に戻ってMGC6位・駅伝で区間賞「有終の美」
地元の人の声によって再び競技の世界に戻って来ると、昨年10月のパリ五輪代表選考会・MGCでは6位、先月の都道府県対抗駅伝では自身初の区間賞と、有終の美を飾りました。その活躍は、天満屋入社当初の自分のイメージを大きく超えたといいます。
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「朝練習1回でいっぱいいっぱいだった。泣きながら朝練するくらいレベルが低かったというか、力がなかったので、マラソンをこんなにするとは思わなかったです」
引退後、海外旅行でも「走ってしまう」谷本さん
引退した今の楽しみは時間を見つけて海外旅行をすること、ですが…。
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「結局、『行った先で走る』っていう(笑)。ニュージーランドに行く予定にしているので、そこはトレイルとか山とかがいっぱいあるから…」
ー走りに行ってます?
「合宿…?(笑)」
これからの谷本さんは?「同世代の方と走ってカフェ行ってお茶したい」
今後は天満屋のランニング事業部でトレーナーとして活動する谷本さんの目指すところは?
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「『同世代くらいの方と一緒に走りたい』というのがあって。『かわいいウェアを着て、みんなでおしゃべりして走って、カフェでお茶して…』みたいな。そういうコミュニティを作りたいなと思っています。『友達の輪』を広げてほしいなと」
後輩たちへの期待「天満屋の練習をしていれば1年で...」
これまでとは違う形で走る魅力を伝えたいという谷本さん。後輩たちが羽ばたく姿にも、期待を膨らませます。
(1月で天満屋女子陸上部を引退 谷本観月さん)
「楽しんでやったらいいんじゃないですかね。強い先輩がいるから、下の子たちはそこに頼って、思いっきり走ったらいい。天満屋の練習をしていたら、1年も経たないうちに強くなると思うので…(笑)」