「べにこはく」猛暑に強く蜜入り十分 福島県オリジナル品種のリンゴ

高温下でも蜜入りが良好となった「べにこはく」

 福島県オリジナル品種のリンゴ「べにこはく」は昨年夏から秋にかけての高温でも、皮の着色が良く、蜜入りが十分だったことが県農業総合センター果樹研究所の調査で分かった。「蜜入り指数」は猛暑で品質低下が見られた主力品種「ふじ」の約4倍となった。「べにこはく」は県産リンゴに占める割合は小さいが、猛暑に強い品種として栽培促進が期待される。

 3月6日、福島市で開かれる成果発表会で調査結果の詳細を公表する。「べにこはく」は2018(平成30)年6月に品種登録された。高温でも良好に生育すると明らかになるのは初めて。今季の「ふじ」の蜜入り指数は例年の半分程度に落ち込んだのに対し、「べにこはく」は例年並みの指数を維持したという。

 県によると、県産リンゴの栽培面積は約1200ヘクタールで、このうち「ふじ」が7割以上を占める。「べにこはく」は栽培面積が狭く、統計がない。県やJA、JA全農福島などでつくる県果樹品種協議会は2030(令和12)年度までに11.5ヘクタールまで増やす目標を掲げている。高温に強い特性を広く周知し、目標達成を目指す。

 成果発表会は今月28日から3月13日まで県内5会場で開かれる。リンゴを含めた果樹に加え、稲作や畜産などテーマ別に催す。県産米主力品種の一つ「ひとめぼれ」は高温下で一定の条件が整った場合、出穂期に追肥することで米粒の一部が乳白色になる症状を軽減できるとの成果を発表する。県農業総合センターのホームページに詳細を公表している。

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