川棚町長、石木ダム建設の住民との対話による解決を知事に要望

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、波戸勇則町長は16日、反対住民との話し合いによる早期解決や地域振興を要望する文書を大石賢吾知事に提出したと明らかにした。
 同日の町議会石木ダム対策調査特別委員会で、町長は「建設予定地への行政代執行は望んでいない。話し合いでの解決を望んでいる」と改めて強調。「(反対する)13世帯の方々のご協力をいただき建設および地域振興策の解決を、と思っている」と述べた。
 知事と住民の対話は一昨年9月を最後に途絶えている。今年1月、町長が抗議の座り込み現場や住民宅に出向き、対話を再開するよう要請したが、住民側は応じなかった。
 これを受け、町長は今月9日に県庁を訪れ、知事と面談。「住民の思い」を伝え、対話再開を求めた。16日の特別委では、知事の返答内容について「住民に直接回答があると思う」と述べるにとどめた。
 振興策については、建設予定地の川原(こうばる)地区を除く石木川流域3地区からの意見を元に、県道嬉野川棚線の全線開通などを盛り込んだ。町は2010年にも要望書を県に提出していたが、県の依頼を受け、改めて今回提出したという。

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