この長さ、重さよ…「人斬り半次郎」の愛刀は規格外の大きさだった 鹿児島市・黎明館で展示中

桐野利秋の愛刀と伝わる日本刀。大人が手を広げたほどの長さがある=鹿児島市の黎明館

 西郷隆盛の側近で「人斬り半次郎」の異名を持つ桐野利秋(1838~77年)の愛刀と伝わる日本刀が、鹿児島市の黎明館で展示されている。同館所蔵の刀約300点の中で最長かつ最重量という“規格外”の一振り。同館は「いざ使う時に扱いにくい刀だが、見た目を意識した桐野の人物像をかえって想像させる」としている。5月までの期間限定。

 同館によると、一般的な日本刀は刃長70センチ前後、重さは600~700グラム程度が多いが、桐野の刀は刃長98.5センチ、重さ約1.4キロ。刀身の曲線を表す反りも0.6センチしかなく、見た目はほぼ真っすぐ。長くて反りが浅い刀は、抜刀しづらいという。

 明治2年の作、西南戦争の際に所持していたとされる。人を斬ったような刃こぼれは確認できないが、つばは一部欠けており、弾痕とされる。

 昭和末に同館に収蔵され、数年に1度のペースで展示している。手入れする際は職員が2人がかりでさやから抜いて作業するという。切原勇人学芸課長は「この刀を使いこなす腕力もすごいが、振り下ろした際に相手に与える衝撃も相当なものだったはず。桐野がどんな使い方をしていたのか気になる」と話した。

 同館では、薩摩で作刀された「波平」、国宝の太刀「国宗」(2月25日まで)も展示中。

桐野利秋の愛刀と伝わる日本刀のつば。欠けた部分は弾痕とされる=鹿児島市の黎明館
桐野利秋の愛刀と伝わる日本刀。黎明館が所蔵する刀で最長かつ最重量という=鹿児島市の黎明館

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