この瞬間に立ち会え幸せ…H3打ち上げ成功、ロケットファンは上昇する航跡に歓喜

H3ロケット2号機の航跡を追う見学客=17日午前9時25分、南種子町の長谷公園

 「頑張れよー」。白い航跡を残して旅立つH3に向け、再挑戦を待ちわびていたファンが一斉に声を上げた。射点から6キロ。鹿児島県南種子町の長谷公園に集まった約1200人は、補助エンジンが分離されるのを見届けると、大きな拍手で順調な飛行を祝った。

 兵庫県から訪れた会社経営山田知徳さん(34)は、福岡でキャンピングカーを借り、家族3人で13日に種子島入り。14日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史プロジェクトマネジャーと直接話す機会にも恵まれ、決意を聞いたという。「自分もエンジニアだから苦労が分かる。開発に10年。日本の技術、誇りが詰まったロケットの成功に立ち会えて幸せだ」と目を潤ませた。

 土曜日で学校の休みと重なり、島内各地の子どもたちも家族連れで見学場に駆け付けた。西之表市の安城小学校5年、田中希空さんは「すごくきれいに飛んでいった。うまくいって本当にうれしい」と喜んだ。

 昨年3月の1号機は発射14分後に「指令破壊」のアナウンスが響いただけに、今回は打ち上げ後も多くのファンが見学場にとどまった。大型スピーカーを囲んで種子島宇宙センターからの通信に耳を傾け、ロケットに搭載した超小型衛星の分離を知ると、ほっとした表情で帰路に就いた。

SRBを切り離しさらに上昇を続けるH3ロケット2号機=17日午前9時24分、南種子町の種子島宇宙センター
白い噴煙を残し上昇を続けるH3ロケット2号機=17日午前9時23分、南種子町の種子島宇宙センター

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