ジュリアがSTRONG女子王座V9防衛 刀羅ナツコの言葉に感極まる、両者で座礼【スターダム】

スターダムの後楽園ホール大会が17日に行われ、メーンのSTRONG女子選手権試合は王者・ジュリアが16分23秒、挑戦者の刀羅ナツコにノーザンライト・ボムからの片エビ固めで3カウントを奪い、V9防衛を達成した。

壮絶な最後だった。ジュリアは長机の天板を全力で振り抜き、刀羅の脳天を打ち抜いた。頭部が天板から外れなくなるハプニングの後、ランニングニーから天板の上に北斗ボムを発射し決着を付けた。鎖で首を絞められ、ハサミで髪をバッサリ切られる危機を切り抜け、急きょルールが変更された凶器使用など反則が全て認められる死闘を制した。

試合後には感極まる王者の姿があった。ジュリアが「防衛戦の道のりは過酷。ナツコとしかできない戦いだったよな。骨のある選手。オマエはムカつくかもしれないけれど、そんなオマエが好きだ」と敗者をたたえた。敗戦後では珍しく刀羅がマイクを取り「ジュリア、スターダムに来てくれてありがとう」と言葉をかけると、ジュリアは感極まった表情を浮かべた。刀羅が「戦って分かったよ。なぜオマエがこんなに強いか。ありがとう」と座礼すると、ジュリアも呼応して座礼。武道のような厳粛な空気に一瞬、後楽園ホールが満たされた。ジュリアは「必ずまたオマエとシングルマッチやるぞ。覚えておけよ」と、リングを去る刀羅の背中に言葉を投げた。

バックステージで刀羅は「アイツから学んだことも多い。人としては嫌いだけどレスラーとしては…いいか、強がらなくて。人としてもレスラーとしてもオマエが好きだ」と潔く王者を認めた。ジュリアは「気持ちいい。気持ちいいぜ」と絶叫し「いつもオマエとの戦いはメチャクチャになると思っていた。変な終わり方にしたくなかったから、このルールにしてもらった。私のこだわりのヘアスタイルがメチャクチャだが、ベルトは守った。オマエからあんな言葉をかけられるとは思わなかった。またオマエとしかできないシングルマッチをやりたい」と改めて感慨を口にした。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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