山盛りゴボウ食べて結束、福井県越前市で「ごぼう講」 300年の歴史ある行事、4年ぶりに復活

山盛りのゴボウを食べつつ、地区の結束と繁栄を願う男衆=2月17日、福井県越前市国中町
白米やゴボウを頬張り、酒を酌み交わしながら親睦を深める男衆=2月17日、福井県越前市国中町

 「ごぼう講」と呼ばれる福井県越前市国中町の伝統行事「惣田正月十七日講」が2月17日、同町の民家で行われた。新型コロナウイルス禍で中止となっていたため4年ぶりの開催。羽織はかま姿の男衆が山盛りのゴボウを次々と口に運び、地区の結束と繁栄を祈った。

 江戸時代中期の1705年、年貢の取り立てに苦しむ村人同士の結束を強める目的で始まったとされる。地区約40戸が持ち回りで開催し、今年は見延友幸さん(68)が会場を提供する「宿主」を務めた。

 神事の後、おわんに山盛りのみそあえのゴボウ、5合盛りの白米、焼き豆腐1丁などをのせた膳が運ばれた。男衆は長さ約30センチのゴボウを勢いよく頬張り、酒を酌み交わしながら親睦を深めていた。

 見延さんは「久しぶりに開催できほっとしている。今後も地区の伝統行事として受け継がれていってほしい」と話していた。

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