スノーアート 今季最初で最後の披露/西目屋・津軽ダムパーク 有志団体が制作

津軽ダムパークに作られたスノーアート。こぎん刺しの模様と村の豊かな自然を表現した=17日午後2時5分ごろ、西目屋村

 暖冬、少雪の影響で中止が続いていた、青森県の冬の風物詩「スノーアート」。田舎館村を拠点に県内外でスノーアートを作る有志団体「It’s OK!(イッツオーケー)」は17日、西目屋村の津軽ダムパークで、今季県内最初で最後となる作品を披露した。

 この日は晴天で風もなく絶好の作業日和。約90センチ積もった雪の上を同団体のメンバー3人がスノーシューで歩く。作業開始から3時間ほどで縦約22メートル、横約60メートルの枠内に同村発祥の西こぎんの模様と、力強い水流が雪面に浮かび上がった。

 完成すると家族連れらが特設展望所に上りスマートフォンで全体像を撮影したりした。弘前市内に住む70代の夫婦は「今年はスノーアートを見られないと思っていたのでうれしい。構図がきれい」と満足した様子だった。

 同団体は今冬、田舎館村の「道の駅いなかだて」と弘前市運動公園野球場で予定していた制作を取りやめた。スノーアートは新雪と踏んだ部分との陰影が作品の出来を左右するため、最低でも30センチの積雪が必要だが、どちらも地面に雪が薄く積もる程度だった。

 同団体の鈴木勝副代表(53)=田舎館村役場=は「皆さんにスノーアートを見てもらえてほっとしている。来年は雪が降ってくれることを祈る」と語った。

 作品は降雪や雨などで模様が消えない限り見学できる。

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