ひな人形で百人一首、薪能を再現 福島県富岡町の旧家でひな祭り 18日から毎週日曜日中心

旧家の趣のある室内に飾られているひな人形

 富岡町商工会女性部は18日から毎週日曜日を中心に、福島県富岡町仏浜の旧家を舞台にひな祭りを開く。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からまもなく13年となる中、多彩なひな人形を飾り、子どもの健やかな成長と町の復興を願う。

 商工会女性部員の早川美千代さんの協力で企画した。早川家が所蔵していた七段飾りをはじめ、親族や知人から寄せられたひな人形を、120年前の明治時代に建てられた趣のある木造建築「早川邸」の室内に飾る。源氏物語のびょうぶを背景に宴の様子や百人一首、薪能を再現したものが並ぶ。こけしびな、つるしびなも彩る。

 震災と原発事故前まで、毎年ひな祭りの季節には、ギャラリーとして使用していた早川邸の蔵でひな人形を飾り、多くの人が訪れていた。13年前、蔵に人形を展示したまま避難を余儀なくされた。その後、避難先からいくつかを運び出した。久しぶりのひな飾りに早川さんは「以前のように多くの人に見てもらいたい。少しでも町の復興につながってほしい」と来場を呼び掛ける。

 開催日は2月25日、3月10日、17日、20日、24日、31日、4月6日、7日。午前9時から午後3時まで。入場は協力金として200円。住所は富岡町仏浜釜田348の旧サンライズインとみおか隣の早川邸2階。

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