ジュリアが刀羅ナツコとの激戦を制しSTRONG王座V9「またお前としかできないシングルマッチをやりたい」【スターダム】

スターダムは『STARDOM in KORAKUEN 2024 Feb.2』2.17東京・後楽園ホール大会を開催した。メインイベントでは、STRONG女子選手権試合、チャンピオンのジュリアに刀羅ナツコが挑戦。ナツコは2.11静岡・富士メッセ大会で行われた6人タッグマッチでジュリアから3カウントを奪って挑戦権を強奪したが、2.14後楽園大会ではジュリアがナツコからフォール勝ちを収めており、前哨戦は1勝1敗のタイの状態で当日を迎えた。

両者のシングルは過去に2試合が組まれているが、いずれもジュリアが勝利しているだけに、ナツコは是が非でも勝ちたいところ。またここまでシングルのタイトルにも縁がなかっただけに、ナツコの気持ちは強い。そんなナツコの気持ちを察したのか、ジュリアはナツコが得意とする反則が認められるノーDQマッチで行うことを決めた。しかし、ナツコはセコンドに大江戸隊のメンバーを連れて来ないという意外な入場。だが、試合になるとチェーン攻撃や、ハサミでジュリアの髪を切り落とすなど、ラフファイトを全開。セコンドがいないため介入こそなかったものの、ジュリアはそんなナツコの攻撃を受けまくると、ナツコのテーブル攻撃をかわして、ジャーマンからテーブルの破片でナツコの頭を打ち抜くと、その破片の上にノーザンライトボムを決めてカウント3。ジュリアが9度目の防衛に成功している。

試合後、マイクを掴んだジュリアは「ジュリアと刀羅ナツコ、今日1対1だったよな?誰か連れてくるかと思ったけど、骨のある選手じゃねぇか。お前はムカつくかもしれないけど、私はそんなお前が好きだ」とナツコを認める発言。これを聞いたナツコは「勝っても負けても言おうと思っていたことがあるんだよ。ジュリア、スターダムに来てくれてありがとう。こんな試合、お前としか出来ねぇよ。今日闘ってわかったよ。何でお前がそんなに強いのか。心の底からわかったよ。ジュリア、ありがとう」と言うと座礼。ジュリアも座礼をしてお互いの健闘を称え合う姿に場内からの拍手が止まらなかった。ナツコが引きあげるとジュリアは「必ずまたお前とシングルマッチやるぞ!」と再戦を約束。一連の騒動を吹き飛ばすような激戦だった。
バックステージでナツコは「あいつが強くて私が弱い理由、痛いほどわかったよ。あいつから学ぶことも本当に多い。人としては嫌いだけどレスラーとしては…いや、強がらなくていっか! 人としてもレスラーとしても、ジュリア、お前のことが好きだよ。また『シンデレラトーナメント』でイチから出直すわ」と改めてジュリアの存在を認めた上で、出直しを誓った。
クタクタな表情で長椅子に寝転がったジュリアは「気持ちいい。気持ちいいぜ! いつもお前との闘いはメチャクチャになると思っていた。変な終わり方にしたくなかったから、急遽ノーDQのルールにしてもらった。してもらったらこのザマだよ。私のこだわりのヘアスタイルがメチャクチャだが、ベルトは守った。お前からあんな言葉をかけられるとは思わなかったよ。どうせお前らしい嫌味ったらしいことを言って来ると思ったけど…またお前としかできないシングルマッチをやりたい。お前としかできない試合があると思ってるよ」とかなり充実した試合だったようだ。

ジュリアが保持しているSTRONGのタイトルは新日本プロレスが海外戦略のアイテムとして管轄しているため、これからも国内外問わず防衛戦が組まれることが予想される。10度目の防衛に向けてナツコとの激戦を制したジュリアの壁はさらに高くなったと言ってもいいだろう。

◆スターダム◆
『STARDOM in KORAKUEN 2024 Feb.2』
2024年2月17日
東京・後楽園ホール
観衆 956人
▼STRONG女子選手権試合~ノーDQマッチ~(30分1本勝負)
<王者>○ジュリア(16分23秒 片エビ固め)刀羅ナツコ●<挑戦者>
※テーブルの破片へのノーザンライトボム
※第2代王者が2度目の防衛に成功。

文⚫︎どら増田

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