保存会員の高齢化で「音頭」がピンチに ユーチューブで踊りの動画配信、次代へ継承目指す

大山崎町が配信しているおおやまざき音頭の動画の一場面(町提供)

 京都府大山崎町は同町の四季折々の風物や名所を織り込んだ「おおやまざき音頭」の動画を作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」の町公式チャンネルで配信している。高齢化や新型コロナウイルス禍で音頭に接する機会が減る中、広く知ってもらい、地域の宝として継承する狙いだ。指導員の派遣も受け付ける。

 音頭は1981年2月、町歌とともに誕生した。歌詞は町民から公募し、日本の製油発祥の地といわれる離宮八幡宮、羽柴(豊臣)秀吉と明智光秀が戦った「山崎の合戦」ゆかりの旗立て松といった名所が、四季折々の風景とともに歌われる。

 地域の祭りや記念行事などで披露され、町民に親しまれたが、近年は音頭保存会メンバーが高齢化。コロナ禍の影響で集まって踊る機会が減り、音頭指導者の派遣ができない時期もあった。音頭を次世代に継承するため、保存会の協力を得て映像制作に取り組んだ。

 動画は「歌詞付き」と「振り付けの解説付き」の2本。淀川の流れを表す浴衣に身を包んだ音頭保存会メンバーの踊りを撮影している。解説付きはスローモーションで、初心者も実際に踊りやすくしている。町の担当者は「(おおやまざき音頭は)大山崎町ゆかりのものを共有し、一体感や愛着を持てるもの。動画を音頭について知るきっかけにし、踊る人が増えていけばうれしい」と話している。

 「広報おおやまざき2月号」では歌詞の全文などを掲載。また保存会による指導員の派遣も受け付けている。町ホームページや町役場で申請書を入手し、企画財政課企画観光係に提出。問い合わせは同係075(956)2101(代表)へ。

© 株式会社京都新聞社