アメリカの動向紹介、科学的意義を強調 一関でILC解説セミナー

ILCの最新動向や意義を説明する研究者ら

 国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指す東北ILC事業推進センター(代表・鈴木厚人県立大学長)と高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)は17日、岩手県一関市川崎町の川崎市民センターで解説セミナーを開き、計画の現状や誘致の意義などを説明した。

 約50人が参加。KEKの道園真一郎教授は、米政府の科学諮問委員会(P5)が今後約10年の素粒子物理学の方向性をまとめた報告書に、米国としてILCか欧州の次世代円形加速器への参加を促す提言が盛り込まれたことを紹介した。

 ヒッグス粒子の解明に向けた同様の計画に関して「いろいろな提案があるが、2013年に技術設計書が完成しており非常に技術レベルが高い」とILCの優位性を強調した。

 岩手大理工学部の成田晋也教授は、宇宙創成の謎に迫る科学的意義のほか、社会や産業にもたらす効果を説明した。参加者からは全国的な機運醸成を求める意見や、実現への見通しを問う声が出た。

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