若者定着へ協議会設立/宮下青森県知事、新年度事業言及/りんご研改め「イノベーションセンター」

政治資金パーティーで新県政の方向性について語る宮下知事=17日、青森市

 宮下宗一郎知事は17日、青森県が2024年度に取り組む主要事業の一部を明らかにした。若者の県内就職を後押しして人口流出を食い止めるため、県内大学、商工団体など関係機関とともに協議会を設立。老朽化が課題となっていた黒石市のりんご研究所は「りんごイノベーションセンター」としてリニューアルする。同日、青森市内で開いた自身の県政報告会(政治資金パーティー)で報告した。

 宮下知事は、予算編成の過程で約270の事業を廃止して60億円ほどの財源を捻出し、約250の新たな事業を企画したと説明。「県庁、県政が大きく変わった。そう言ってもらえるような県政が始まると確信している」と語った。

 若者の県内定着を巡っては、県内高卒者や県内大学・短大卒の県内就職率の低さに触れ、「こんなことがあってはいけない」と強調。県内全ての大学、商工会議所や商工会の連合会、工業会、県などによる協議会をつくり、若者の地元定着を促す組織にするとした。

 農林水産業は所得向上に向け、リンゴ、コメなど品目ごとに細かく目標値を設定する。「りんごイノベーションセンター」は品種改良や販売促進も担う。子育て分野では「思い切った無償化政策が始まる」と宣言。医療福祉分野では、介護現場の負担軽減のため、ロボットなどを貸し出す事業を行う考えを示した。

 県は20日、24年度当初予算案を発表する。宮下知事は正式発表の際に、各種事業の詳細や予算額を説明するとした。

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