「これじゃ!間違いない!!」祖母の家にあった蓄音機が80年後に孫の元にやってきた?「とんでもねえ運命」「涙が出てくる」と話題に

祖母の家にあった蓄音機が約80年の時を超えて、孫の手元にやってきた? そんな驚きのエピソードに、約2万1000件の「いいね」が集まっています。

このエピソードを2月7日、X(旧Twitter)に投稿したのは、蓄音機とSPレコードが大好きだという梅園眞澄(@Masumi_8620 )さん。
山口県の祖母宅に行った際に、93歳の祖母に若かりし頃の思い出を聞く中で「蓄音機の左側の飾りの木枠に荷物をぶつけて曲げちまった」という話が出てきました。
約1年前にメルカリで購入した蓄音機でも同じ場所に傷があるのを思い出した梅園さん。「まさかとは思うけどこんなの?」と、自分が持っている蓄音機の写真を祖母に見せてみました。その写真を見た祖母は目をまん丸にして「これじゃ!間違いない!!」と衝撃の一言。
もし同一の機械であれば1946年ごろに手放した蓄音機が、約80年の時を超えて孫の手に渡ったことになります。梅園さんは「こんな運命あるのかねぇ?」と驚きの言葉で結んでいます。

梅園眞澄さんのXより。祖母が見て「これじゃ!間違いない!!」とびっくりした蓄音機の写真 / Via Twitter: @Masumi_8620

梅園さんは、あくまでも「もう何十年も前の祖母の記憶なので、半信半疑と言ったところでございます」と続けて、確実なことは言えないとしながらも、もしこの話が本当なら……と一連の投稿で、蓄音機が戻ってくるまでの時系列を解説しています。

梅園さんによると、この蓄音機は国産で、日本ビクター蓄音機株式会社が1935年に発売した「Victorola J1-81 」という機種でした。
蓄音機はまず1935年以降に梅園家が購入。そこから、終戦に伴う金策のために1946年ごろに質入れ。国内を転々としていたとみられます。
そして、2023年。戦前の家具や道具の収集を趣味にしているお孫さんが、メルカリで蓄音機を購入。巡り巡って、お婆さんのもとに蓄音機が帰ってきたという経緯のようです。

祖母が荷物をぶつけて曲がったという「ホーン開口部」。同じ箇所が梅園さんの蓄音機でも曲がっています

梅園眞澄さんのXより / Via Twitter: @Masumi_8620

時を越えて戻ってきた蓄音機の不思議な運命。まるで付喪神(つくもがみ)が宿っているかのような素敵なお話にSNSでは、
💬 「おー、ドラマチック」
💬 「モノにまつわる不思議なストーリーとして秀逸」
💬 「人だけでなく物にも縁がある」
💬 「蓄音機も喜んでそう」
💬 「長旅おつかれさまでした」
など、蓄音機がたどってきた旅路を想像するコメントや、おばあさんとの再会を喜ぶコメントが寄せられていました。
また、自分自身がかつて手放したゲームを買い戻したら、まったく同じデータだったというコメントや、何年も前に手放した車を見つけて買い戻したという話など、蓄音機のように“自分の手から離れて戻ってきた物にまつわるエピソード”を投稿する人もいました。
蓄音機をきっかけに、いろいろな人の想い出や物への思い入れを想起させる投稿となっていました。

戦前に発売された蓄音機ですが、今でも使用できる良好な保存状態

梅園さんにお話をうかがいました

――「これじゃ!間違いない!!」とおばあさまから言われたとき、どう感じましたか? また、おばあさまが使っていた蓄音機と、今回の蓄音機は同一のものか、それとも偶然同じところに傷があったのか。どちらだと思いますか?
最初は「さすがに思い違いだろう」と疑ってはいましたが、祖母は記憶力が良く、冗談や嘘を言うような人では無いので、同一のものではないかと信じております。
――梅園様はSPレコードや蓄音機を収集されていますが、どんなところに魅力を感じていますか?
現在の音楽アプリや動画サイトで簡単に聴ける電子的な音楽とは違い、一枚一枚レコードを集めてやっと聴くことができる物理的な音楽にその良さを見出しました。それと同時に、蓄音機やSPレコードというアイテムは令和の世においては珍しい存在となっているため、その歴史的価値や背景に目を向けることも、また一興です。
――今回の投稿は1万件を超える「いいね」を集めています。どのように感じていますか?
正直驚きを隠しきれません。ですがこれを機に、是非とも皆さんも私と同じように、身近なものに注目していただき、その歴史や背景などに思いを馳せてもらいたいです。きっとそこには驚きや新たな発見があると思います。
・・・・・・
梅園さんが「物理的な音楽」を奏でるレコードや蓄音機にハマっていたからこそ、時を越えて戻ってくる奇跡が起きたともいえるエピソードですね。
この蓄音機も祖母から梅園さんの手に渡るまでの間も、いろいろな人の手で大切に使われてきたのかもしれない。思わず、そんな想像をしてしまうような素敵なお話でした。

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