相撲を通じた縁 鳥取城北高校相撲部関係者が被災地で「ちゃんこ鍋」炊き出し 「元気を届けられるような相撲を」

相撲界から能登半島地震の被災地へエールです。
今月、石川県出身の力士たちが避難所などを訪問しましたが、同じ日、鳥取県の相撲関係者もある場所で被災者に笑顔を届けていました。名門相撲部特製の「ちゃんこ鍋」です。

今月6日、石川県を慰問したのは遠藤、輝、大の里の3人の地元出身力士たち。
サプライズ訪問に、避難生活を続ける人たちからもこの時ばかりは笑顔があふれました。

一方、同じ日、石川県珠洲市の避難所で行われていたのは…「ちゃんこ鍋」の炊き出し。行ったのは鳥取城北高校相撲部の関係者です。

鳥取城北高校相撲部 谷本将也 顧問
「聞いた話だと、栄養が偏っているということもあり、寒いですし、あったかい栄養のあるものを食べて少しでも元気になってもらえたらと思って」

相撲部の総監督・石浦外喜義校長は石川県出身。
そして、珠洲市に実家がある相撲部のOBが被災したこともあり、ちゃんこ鍋の炊き出しを決めました。

様々な味付けがある中で、今回は醤油ベースのちゃんこ鍋を作ることに。
今回部員たちは被災地に行けませんでしたが、鶏団子や豚団子などの具材を出発の前日に作りました。

鳥取城北高校 藤村隆三郎 主将
「城北のおいしいちゃんこを食べて少しでも元気になってもらえたらいいなと思って作りました」

そして今月6日、石浦校長を隊長に、教職員やOBら12人が避難所となっている正院小学校に行き、被災したOBのほか避難所の人や近所の人たちへちゃんこ鍋およそ300食を振舞いました。

鳥取城北高校相撲部 谷本将也 顧問
「「おいしい」とか「ありがとう」とか「元気もらった」とか、そういう声をたくさんいただいて、逆にこちらの方が元気をいただきました」

炊き出しの様子は後日、部員たちにも伝えられました。

鳥取城北高校 藤村隆三郎 主将
「泣いている人もいたらしくて。自分たちが作ったちゃんこで喜んでくれてる人がいたと思ってうれしかったです」

石川県では毎年5月、高校相撲金沢大会が開かれます。鳥取城北はこの大会で何度も優勝を飾っているほか、石川県では合宿も行っていて、部員たちは特別な思いを持っています。

鳥取城北高校 藤村隆三郎 主将
「(今年の金沢大会では)被災された方に元気を届けられるような相撲をとりたいと思います」

鳥取城北高校相撲部 谷本将也 顧問
「相撲を通じて交流だとか何かの形でできることがあったら、ぜひさせていただきたいと思っています」

同じ相撲どころの石川県と鳥取県。相撲を通じた支援の輪が広がっています。

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