「島の風習を初めて見て驚いた」 旧正月の沖縄・黒島で熱気あふれる大綱引き 掛け合い・踊り・「決闘」も

 旧正月に当たる10日、沖縄県竹富町黒島の東筋集落の黒島芸能館前で、豊作豊漁を祝う恒例の旧正大綱引きがあった。亜熱帯の八重山で異彩を放つ梅の花をあしらった「雪之丸」と呼ばれる旗頭が復活し、伝統の光景がよみがえった。

 行事の幕開けを告げる太鼓とドラが鳴ると、「正月ユンタ」の掛け合いが始まり、老若男女が踊って笑みを浮かべた。勇壮な武者がやぐらの上で争う「ツナノミン」が披露された後、大綱引きが始まり、会場は最高潮に盛り上がった。

 住民や観光客らが南北に分かれて綱を引き合い、この日は多くの人が集まった南に軍配が上がった。

 あっという間の決着に名残を惜しむ人も少なくなかったが、南が勝つと豊作が約束されるとの言い伝えがある。

 東京都の須田早紀さん(38)は「島の風習を初めて見て驚いた」と話していた。

(奥沢秀一通信員)

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