石井監督「箱男」に称賛の拍手 第74回ベルリン国際映画祭

映画「箱男」より((C)2024 The Box Man Film Partners)

 【ベルリン共同】ドイツで開催中の第74回ベルリン国際映画祭で、話題作を取り上げるベルリナーレ・スペシャル部門に出品されている、安部公房の小説が原作の「箱男」(石井岳龍監督)が17日(日本時間18日)上映され、会場は歓声と称賛の拍手に包まれた。

 段ボール箱をかぶって暮らす「わたし」と、彼の存在を追う無免許の医者らが入り乱れる物語。1997年にドイツとの合作映画として製作が決まったが、撮影が始まる前日に資金の問題などで中止になっていた。上映後の質疑応答で石井監督は「時代が『箱男』に追いついた気がする。今回の映画を非常に気に入っている」と話した。

 上映前には、出演した永瀬正敏さん、浅野忠信さん、佐藤浩市さんが石井監督と共にレッドカーペットを歩き、ファンらの声援に応えた。

 18日には、革新的な作品を集めたフォーラム部門で、数十年にわたって朝鮮人被爆者らの証言を集めてきた朴壽南さんと娘の朴麻衣さんが共同で監督した「よみがえる声」も特別上映された。

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