「こんな経験は初めて。全てが粉々になった」「暴力沙汰が影響」解任クリンスマンの“右腕”が韓国代表の内紛に苦言。韓メディアは非難「失敗の責任転嫁だ」

韓国代表の監督を解任されたユルゲン・クリンスマンの右腕が、内紛について語った。

優勝候補だった韓国代表が0-2でまさかの完敗を喫したアジアカップ準決勝ヨルダン戦の前日、食事時間中に卓球をして騒いでいたイ・ガンインら若手グループとそれを注意した主将のソン・フンミンらが衝突。イ・ガンインがキャプテンに拳を出し(代理人は否定)、両者を引き離す中で、ソン・フンミンが指を脱臼したと報じられた“卓球事件”は、同国サッカー界をいまだ揺るがしている。

そんななか、大会後にクリンスマン監督とともに解任されたヘッドコーチのアンドレア・ヘルツォークが、母国オーストリアのメディアに騒動について思いを明かした。韓国メディア『スポーツ京郷』が伝えている。

「重要な試合の前日に代表チーム内で世代間の分裂が起き、ソン・フンミン(トッテナム)とイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)が争うとは誰も予想できなかった。感情的な暴力沙汰は当然、チームのメンタルに影響を及ぼした」

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55歳の元オーストリア代表MFは、「(このような揉め事は)トレーニング場でしか見なかったし、食堂でこのような経験をしたことはなかった。我々が数か月をかけて厳しく積み上げてきたものが、すべて数分で粉々になった」と嘆いた。

そのうえで、アジアカップではベスト4で敗れたとはいえ、解任されるような結果ではなかったと主張している。

「アジアカップで良い成績を収め、韓国で続けられるだろうと思っていた。2026年の北中米ワールドカップまで契約を延長できる条件を満たしていた。ヨルダン戦で敗北するまで13試合無敗を続けていたんだ」

ただ、『スポーツ京郷』は、この主張に対して、「ヘルツォークの発言はそれだけ今回の事態が衝撃的という意味であると同時に、責任回避という指摘もできる。64年ぶりのアジアカップ優勝への挑戦が失敗に終わった原因を、代表チームの内紛だけに転嫁しているからだ」と非難している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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