女子と風呂に入る苦痛、トイレ我慢「悩む子クラスに必ず」京都・南丹市でLGBTQ講演会

性的少数者への理解を教員らに講演する大久保さん(南丹市八木町・クアスポくちたん)

 学校現場とLGBTQ(性的少数者)について考える講演会が、京都府南丹市八木町のクアスポくちたんで開かれた。トランスジェンダー男性で「暁project」(京都市上京区)代表の大久保暁さん(42)が「学校が相談できる場所であることを悩む生徒に伝えてほしい」と語り、丹波3市町の学校関係者が熱心に耳を傾けた。

 講演会は府南丹教育局が6日に開き、人権教育に携わる教員約40人が参加した。

 大久保さんは、女性として生まれ、性自認は男性。「自分らしく生きたい」と、31歳の時に性別適合手術を受け、戸籍上も男性となった。

 講演で、自身の学生時代を振り返り、修学旅行で女の子と風呂に入る苦痛や、トイレが使えず我慢して家まで帰るなど、人に言えない悩みを抱えていたことを明かした。「LGBTQであることを打ち明けられず、苦しんでいる子どもはクラスには必ずいると思ってほしい」と訴えた。

 その上で、スカートやズボンの着用など旧来の考えで性を押し付けず、柔軟に考える必要性を説いた。打ち明けられず悩む子どものため、教師が性の多様性に寄り添う支援者「ALLY(アライ)」であることを授業などで伝える大切さも説いた。

 南丹高からの参加者は「教育現場で当事者には出会ったことはないが、真摯(しんし)に対応する必要があることが分かった」と話した。

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