暖冬傾向の県内、花粉症対策はお早めに 間もなくシーズン突入、飛散量は平年より多い予想

花粉症対策の商品が並ぶ特設コーナー。今年は例年に比べ動き出しが早いという =山形市・ドラッグヤマザワ松見町店

 県内各地で4月並みの最高気温を観測するなど暖冬傾向の中、花粉症シーズンが早まり、今月下旬にも本格化しそうだ。スギ花粉などの飛散量は平年より多い予想で、早めの備えが肝要だという。県内のドラッグストアは特設コーナーを設け、さまざまな対策グッズを紹介している。

 気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)によると、本県のスギやヒノキの花粉飛散傾向は前年比74%だが、平年と比べて122%と多くなる見込み。本県は花粉症シーズンが2月20日過ぎに始まる見通しで、4月下旬まで続きそうだ。一度飛散が始まると気温が低い日でも花粉が飛びやすくなり、気温が15度を上回り、風の強い日は大量飛散の恐れがあるという。

 同社の担当者は、症状が本格化する前からの対策が効果的だとし、▽飲み薬や目薬、マスクを活用▽飛散量が多い時間帯の外出を回避▽家に入る前は服に付着した花粉を払い落とす▽花粉が付きにくい素材の服を着用―などをポイントに挙げる。

 一方、県内のドラッグストアでは、特設コーナーで花粉症対策グッズが展示、販売されている。山形市のドラッグヤマザワ松見町店では、1月下旬から対策グッズの購入客が目立ち、例年よりも動き出しが早いという。今年の売上額は前年同期を上回る状況で、髪の毛や肌に吹きかけることで花粉の付着を防ぐミストや、鼻の不快感を和らげる鼻うがいなどが売れ筋のようだ。

 同店の薬剤師斎藤一夫さんは「鼻のむずむずやくしゃみなどの症状で花粉症かなと思ったら、薬を服用するなど早めの対策が重要だ。眠くなりにくい商品もあるので、気軽に相談してほしい」と話していた。

山形大・鈴木医師「重症化前の受診呼びかけ」

 山形大医学部の鈴木祐輔医師(耳鼻咽喉・頭頸部(とうけいぶ)外科学講座)は、医療機関の受診やマスク着用など早めの花粉症対策を勧奨する。

 同大医学部付属病院では、既に花粉症の症状を訴える外来患者がいるといい、例年4月上旬ごろのスギ花粉飛散ピークも前倒しが予想される。鼻水、目のかゆみといったアレルギー反応に付随し、頭痛や発熱などの症状が現れるケースもある。鈴木医師は「早めに飲み薬の服用を始めることで、ピーク時の症状を抑えられる」とし、重症化前の受診を呼びかける。

 症状のコントロールには日頃の情報収集も大切だといい、同講座のホームページで公開している飛散量データなどの活用を勧めている。

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