インフレ圧力なお強い、利下げまだ先=英中銀チーフエコノミスト

Howard Schneider David Milliken

[ワシントン 16日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)チーフエコノミストのヒュー・ピル氏は16日、インフレ率が中銀の目標である2%まで低下し、その水準を維持するかどうかという点について、今のところは「極めて控えめで暫定的な証拠」しかないと述べた。物価上昇圧力はなお強いと説明した。

全米企業エコノミスト協会(NABE)が主催したパネルディスカッションで「インフレの持続的な鈍化を確信するには、あと数カ月は待たなければならないと思う」と述べた。

英中銀は今月の会合で、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置いた。決定は全会一致ではなく、利上げや利下げに票を投じる委員もいたが、ピル氏は据え置きに賛成した。

ピル氏は、経済が低迷しているにもかかわらず、賃金上昇率とサービス価格インフレ率は新型コロナウイルス禍前の水準をはるかに上回っていると指摘。英国のインフレ見通しは米国ほど良好ではないとした。

「私が説明したデータに基づけば、政策金利を(引き下げる)動きが可能になるのは、まだ先のことになると考えている」と語った。

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