中国が太陽電池の生産コストを米国より44%抑えた秘訣とは?―米メディア

15日、参考消息網は米ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を引用し、中国が太陽電池の生産で米国をリードしている要因を分析した。写真は太陽光パネル

2024年2月15日、中国メディアの参考消息網は、米メディア「ウォール・ストリート・ジャーナル」ウェブ版の今月13日付の記事を引用し、中国が太陽電池の生産において米国をリードしている要因を分析した。

記事は初めに、02年以降に後発で太陽電池関連の市場に参入したにもかかわらず、20年後の現在に中国企業が太陽電池生産においてリードしている理由の一つとして、エネルギーや人件費などの生産コストが欧米よりも安価な点を挙げ、このことが中国の太陽電池生産メーカーに人材や資金を集める追い風となっていると指摘した。

次に「太陽電池の製造工程は長い時間と複雑な手間がかかる。中国は設備を購入するだけで比較的容易に参入できる多結晶シリコンの技術を採用し、人件費の安さと大規模生産によって、全工程にわたって生産コストを引き下げることに成功した。特にSi(シリコン)インゴットを作り出すための多結晶シリコンの生産は重要な工程の一つだが、精製の過程で設備投資とエネルギー消費が最も増大する工程でもある。中国は大規模な投資と拡張によりこの工程の資金とエネルギーの消耗も抑え、23年には91%の太陽電池に中国産の多結晶シリコンが使用されるまでになった」と説明した。

記事が引用したIEA(国際エネルギー機関)の報告書のよると、21年時点の世界の太陽光パネル生産能力に占める中国の割合は、モジュールが74.7%、セルが85.1%、ウエハーが96.8%、ポリシリコンが79.4%となっており、主要工程の全てで圧倒的な生産能力を構築しているという。また、S&Pグローバルのデータによると、中国の太陽電池パネルのコストは、総体的に見て米国より44%安く抑えられているという。

記事は「再生可能エネルギーの需要増にしたがって、米国は自国内での太陽電池のサプライチェーンの構築に乗り出した。主要工程へ多額の支援をすることにより、中国との差を縮めようとしているが、メーカー関係者の話では、インフレ削減法などで経済的には工場建設を進めることができるが、サプライチェーンや主要な製造工程でサポートを得られるとは限らないという。またインフレや資金コストの上昇が止まらない上に、中国の太陽光発電の製品価格が大幅に低下しており、コストの差はさらに拡大するとの見方もある」と伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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