全日本室内アーチェリー 青島(大村工高-日体大)がV リカーブ一般男子 長崎

【リカーブ一般男子決勝】集中して的を狙う青島(日体大)=長崎県立総合体育館

 アーチェリーの第33回全日本室内選手権最終日は18日、長崎市の長崎県立総合体育館で各種目の決勝までが行われ、県勢はリカーブ一般男子の青島鉄也(大村工高-日体大)が6年ぶり2度目の優勝を果たした。
 青島は決勝トーナメント2回戦で、中西絢哉(シーアール物流)をシュートオフの末に6-5で下して8強入り。準々決勝は30点満点を2セット連続でマークして桑江良斗(自衛隊体育学校)を6-2で退けた。準決勝は金子令(三重県庁)に6-0で圧勝。決勝は第5セットで30点満点を記録して武藤弘樹(トヨタ自動車)に6-4で競り勝った。
 リカーブ一般女子の久原千夏(佐世保商高-近大-福井信用金庫)は、決勝トーナメント1回戦で堀口理沙(エディオン)に2-6で敗れて8強入りはならなかった。
 コンパウンド男子の河本尚己(渋谷アーチェリー、長崎国際大出身)は準々決勝で敗れて5位。その妻でリカーブ一般女子の河本あすか(自衛隊体育学校、長崎国際大出身)は決勝トーナメント1回戦で敗退した。

◎学生生活最後、地元で有終の美

 地元長崎で開催された学生生活最後の大会で、最高の結果を手に入れた。大声援を受けて日本一に輝いた青島(日体大)は「顔なじみがたくさんいる中で、いい姿を見せられてよかった。恩返しができた」と笑顔がはじけた。
 西町小2年から父の隆さん(長崎大水産学部鶴洋丸)と一緒に競技を始め、すぐに頭角を現した。緑が丘中、大村工高で日本一を経験し、日の丸も着けた。大学1年でいきなり全日本学生個人選手権優勝。2年で世界ユースを制した。昨夏はワールドユニバーシティゲームズ混合で頂点に立つなど国内外で実績を積み重ねてきた。
 この日、会場には憧れの先輩の勇姿を一目見ようと地元の小学生が集まり声援を送った。青島は「負けられない」と力に変えて勝ち上がった。4-4で迎えた決勝の最終第5セットは緊迫した雰囲気の中、先行で2本連続10点。ここ一番の集中力で相手に重圧を与えると、最後の3本目も10点を射抜き、30点満点で有終の美を飾った。
 目標だったパリ五輪は昨春の代表選考会で敗れて代表入りを逃した。4月からはエディオン(広島)に所属し、2028年ロス五輪に照準を合わせて競技を続けていく。地元Vで学生生活を締めくくった22歳は「人間的にもっと成長して4年後の夏に金メダルを目指す」と力強く宣言した。

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