『高知龍馬マラソン2024』8300人が早春の土佐路を駆け抜ける! ②ランナーや支える人たち それぞれの想い【高知】

10回目の節目の大会となった高知龍馬マラソン2024。8395人のランナーが早春の土佐路を駆け抜けました。

約18キロの地点では、三里中学校吹奏楽部による恒例の演奏が行われました。生徒たちの力強い演奏が疲れの見え始めたランナーに元気を与えます。

正午過ぎ。スタートから3時間が過ぎる中、ランナーの大集団は約20キロ地点にある最大の難所「浦戸大橋」にさしかかっていました。高低差40メートル、距離800メートルの上り坂にランナーの多くは走るのを止めて、歩いて進みます。

ランナーの楽しみの一つが、給水・給食です。海沿いの花海道では、ユズのジュースや安芸市の名産・ナスを使った「ナスゼリー」がふるまわれました。高知らしいおもてなしにランナーは元気を取り戻します。

高知の様々な景色や食などを楽しみながら思い思いにゴールを目指すランナーたち。しかし、コースの途中には決められた時間までに通過しなければならない関門が11か所あります。25キロすぎの地点にある第7関門では、スタートから4時間が経ち閉鎖が迫っていました。間に合わなかったランナーたちは、来年こそは完走すると誓っていました。

2月18日の高知市の最高気温は20.2度と4月上旬並みの暑さになりました。季節外れの暑さにランナーたちは、こまめに水分を摂っていました。

一方、救護所では水分不足で足をつったランナーたちが手当をうける姿も目につきました。沿道で応援する人の中にも暑さ対策を万全にする人もいました。

30キロ地点にかかる仁淀川河口大橋。橋の上を、カラフルなウェアに身を包んだランナーたちが埋め尽くします。

ランナーたちは、暑さにも負けず沿道から大きな声援を受けてゴールを目指しました。

おもてなし広場では直径2メートルの大鍋で作られるウルメイワシのつみれ汁や、高知農業高校の生徒たちが作ったミルクスープなどが振舞われ、走り終えたランナーたちの体を癒していました。約7500食用意されたカツオの藁焼きタタキには長い行列ができ、ランナーたちは高知ならではのおもてなしに舌鼓をうっていました。

大会に2回目の参加となった青山学院大学陸上競技部の選手たち。優勝した塩出選手を含めた7人が10位以内に入賞する圧巻の走りを見せました。

大会に初めて参加した高知市の濱田良々さん。無事に完走しフィニッシュ会場である人を待っていました。待っていたのは父親の良一さん。2月1日に高校を卒業した良々さん、4月からは大阪の大学に通う予定で思い出に残る大会になりました。

完走したランナーの中には裸足で足を引きずりながら歩く人も。19日は仕事は休みとのことで安堵の表情を浮かべていました。

石川県から参加した黒川正道さん(74歳)。胸元に17年前にがんで亡くなった妻、美恵子さんの写真を付けていました。美恵子さんは一時、土佐清水市の病院に入院。石川に戻る日に高知市内を一緒に散策したのが夫婦の最後の旅行になりました。亡き妻と思い出の地を走りたい。年齢的にも最後のチャンスになるかもしれないと大会に参加し、完走を果たしました。元日の能登半島地震では長女の家族が輪島市で被災。走りながら、いろいろな思いがこみ上げてきました。

今大会、フルマラソンの部には8395人が出場し92.4%にあたる7760人が7時間の制限時間内で完走しました。また今回初めて行われたペアリレーには267組534人が出場し239組が完走しました。

10回目の節目を迎えた高知龍馬マラソン。42.195キロの長い旅に挑んだ龍馬たちは達成感に満ちた表情を浮かべていました。

参加したランナーたち

「龍馬マラソン最高!」

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