馬毛島自衛隊基地「同意できない」から黙認の西之表市長・八板氏、3選目指しきょう出馬表明へ

八板俊輔氏

 鹿児島県西之表市の八板俊輔市長(70)が、2025年3月18日の任期満了に伴う市長選に3期目を目指して立候補する意向を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。20日開会の市議会定例会の施政方針で表明する予定。同市馬毛島で進む自衛隊基地整備への賛否には踏み込まないとみられる。

 八板氏は同市西之表出身。早稲田大学を卒業後、朝日新聞記者を経て、再選挙となった17年市長選で基地整備に反対の立場を取り初当選した。21年の選挙でも「計画に同意できない」との考えを掲げ、容認派候補を144票差で退けた。

 しかし、22年1月に日米両政府が米軍機訓練移転を伴う基地の整備地に馬毛島を正式決定したことで、「新たな局面に入った」と述べ、現在まで賛否の明言を避けている。

 施政方針では「現実の動きに対応していく」と従来の表現にとどめ、現時点では事実上の黙認姿勢のまま立候補を表明する見込み。昨年末の南日本新聞のインタビューには「市長の職責のある期間に賛否を含む一定の考えを示す」と答えている。

 次期市長選を巡っては、複数の新人が立候補を模索している。

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