約167ヘクタールを焼いた栃木県足利市西宮町の両崖山(251メートル)の火災は、21日で発生から3年となる。焼け跡は下草が再生しつつあるものの、火災が原因とみられる樹木の立ち枯れや倒木が目立つ。23日間も燃え続けた大規模火災の爪痕は、今も色濃く残っている。
両崖山火災は2021年2月に発生した。市は出火原因を「ハイカーのたばこの火の不始末」と推定し、山林での火気使用を禁じる「足利市の美しい山林を火災から守る条例」を22年4月に施行。だが、愛好家らで組織する市民団体によると、条例施行以降も山林内での喫煙や火を起こして飲食する姿を目撃することがあるという。
県県南環境森林事務所は21年度から、延焼範囲内の樹木などを目視で定期的に調査している。21年6月の最初の調査では設定した13地点のうち、半数の地点でスギやヒノキなどの立ち枯れを確認した。22年6月の調査では、枯れている木が微増したという。
同事務所の担当者は「これ以上被害は拡大しないと考えている。回復を見守りたい」としている。