フォンデアライエン欧州委員長、2期目続投の意向 「民主主義守る」

Andreas Rinke Riham Alkousaa

[ベルリン 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は19日、2期目続投を目指す意向を表明し、民主主義を守ると訴えた。

ドイツの中道右派野党キリスト教民主同盟(CDU)から続投への支持を獲得したことを受け、欧州議会の最大会派・欧州人民党(EPP)が3月の総会で同氏を次期委員長候補に選ぶ可能性が高まった。

フォンデアライエン氏はベルリンで記者会見し、「最も重要なのは民主主義、われわれが守る法の支配、われわれが共有する平和だ」と強調。ロシアのプーチン大統領や欧州の極右政党に対し「欧州の民主主義が彼らの行く手をふさいでいる」ことを明確にしたいと述べた。

初の女性欧州委員長に就任したフォンデアライエン氏は、新型コロナウイルス禍や英国のEU正式離脱、ロシアのウクライナ侵攻への対応などを通じてEUのかじ取りを担ってきた。

続投が実現すれば、ロシアの脅威や極右勢力の台頭を背景に安全保障の強化が課題となる。米国でトランプ前大統領が返り咲く可能性もある。会見では「欧州の防衛力を拡大する必要がある」と述べた。

委員長候補は6月の欧州議会選で第1会派となったグループから選ぶのが慣例。世論調査ではEPPがリードしており、EU首脳からも幅広い支持を得るフォンデアライエン氏の再選が濃厚とみられる。

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