仮想空間活用し児童生徒に「新たな居場所」 別府市教委がミニ授業など試験運用【大分県】

別府市教委が多様な学びの場を提供しようと、「メタバースふれあいルーム」の試験的運用を始めた

 【別府】別府市教委は学校に行きづらさを感じる児童・生徒を支援するため、インターネット上の仮想空間「メタバース」を使った「メタバースふれあいルーム」の試験運用を始めた。学びの選択肢を広げ、居場所の一つとしての可能性を探る。

 リアルな登校ではなく、仮想の教育空間にアバター(分身)として入り学習する。市教育相談支援センターの教育相談員がオンラインでミニ授業(30分間)をする。グループワークやAI型ドリル教材を使った自主学習、個別面談などのメニューもある。

 昨年10月から今年3月末までの試験運用で、現在12人が登録。どのような児童・生徒を対象にするかや出席の取り扱いなどの方法を探り、2024年度中の本格運用を目指す。

 市内には市教委の教育支援室や各中学校内の登校支援ルーム、民間のフリースクールなど多様な学びの場がある。集団に入れない子もおり、メタバースを社会との接点を持つ第一歩として捉える。

 メタバースの利用は学校や市教委と相談して決める。市教委学校教育課の宮川久寿参事は「複数の居場所を確保して、それぞれに合った場所を見つけてほしい。いろんな人と関わり、自分の思いや気持ちを表現するソーシャル・スキルを身に付けてほしい」と話している。

© 有限会社大分合同新聞社