豪中銀、インフレ低下の確信にはまだ時間必要=理事会議事要旨

[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は20日、今月の理事会議事要旨を公表し、追加利上げの可能性を排除する前にインフレ率が低下していると確信する必要があるとし、それまでにはまだ時間がかかるとの認識を示した。

ただ、消費鈍化により経済がより良いバランスに戻りつつあるとも指摘した。

議事要旨によると、理事会では25ベーシスポイント(bp)の利上げも検討したが、インフレ動向の進展や労働市場の逼迫が予想以上に速いペースで緩和していることを踏まえて金利据え置きを決定した。

理事会メンバーは「インフレが目標水準に戻ることを確信するには、まだ時間が必要」と指摘。

経済見通しがかなり不透明で、高インフレが根強いことから、追加利上げの可能性を排除しないことが適切との見解で一致した。

労働市場と個人消費がこれまでの予想よりも弱いという認識も示し、個人消費はこれまで以上に急激に弱まるリスクがあると指摘した。

中銀は2022年5月以降、インフレ抑制に向けて計425bpの利上げを実施し政策金利は12年ぶり高水準の4.35%となっている。

市場は引き締めサイクルが終わったと確信しているものの、24年に予想される利下げ幅は36bpと小幅にとどまる。また利下げ開始は8月か9月とみられている。

消費者物価指数(CPI)上昇率は23年第4・四半期に4.1%と、ピークの8%近くから低下したが、中銀の目標(2─3%)は依然として大幅に上回る水準。

ブロック総裁は、利下げを開始するのにインフレ率が目標の範囲内に入る必要はなく、消費が予想以上に急速に鈍化すれば緩和の機会になると述べている。

中銀はインフレ率が25年終盤に目標範囲に戻り、26年には中間値である2.5%まで鈍化すると予想している。

議事要旨によると、理事会は追加利上げがないことを前提としたこの予想について妥当との見解を示した。

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