京都府舞鶴市のポンプ場、建設費が9億円増加 完成時期も5年延びる原因は

事業費が9億円増える見込みとなった静渓ポンプ場の建設予定地(舞鶴市魚屋)

 京都府舞鶴市は西市街地の浸水対策で建設中の静渓(しずたに)ポンプ場(同市魚屋)について、事業費が計画当初より約9億円増え、完成時期も5年延びて2028年度になることを市議会産業建設委員会で明らかにした。河川内に障害物が見つかった上、地盤改良がさらに必要になったことが影響したという。

 静渓ポンプ場は静渓川の水を本流の高野川に排出する施設。21年度に着工し、23年度の完成を予定していた。

 ところが、府がかつて静渓川を横断するように造ったコンクリート構造物(長さ14メートル、深さ5メートル)が現場で見つかって工事が中断。さらに構造物撤去に向けて実施したボーリング調査で、ポンプ場設置には地盤改良が4メートル深い20メートル必要なことが判明したという。

 22日の産業委では、構造物撤去や地盤改良増加に伴い、土木工事費が当初の約6億円から約15億円に膨らむとの見通しが報告された。完成時期は見込みより5年遅れる。機械、電気設備、建築工事を合わせた総事業費は約21億円に上るという。

 工事は設計見直しのために昨年3月から中断しており、来月には工事業者と請負金額を変更して契約する方針。市浸水対策課は「川の中の工事の履歴を調べておらず、事前の構造物の発見は難しかった。契約変更を進めてできるだけ早く完成させたい」としている。

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